睡眠が少ないと積極性を維持する能力が低下する
研究は、十分な睡眠を得ることで人々は感情のバランスを維持し、人生の良いものを楽しむのに役立つことを発見しました。
研究では、さまざまな健康状態が睡眠不足と関連していることが示されています。
カナダのバンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学(UBC)の研究者による新しい研究は、睡眠不足による身体的ではなく精神的な影響について調査を行っています。
科学者たちは、夜間の睡眠が不十分だと人々は感情的に困難な出来事に直面したときに、前向きでいる能力が低下することを発見しました。そして、また、ポジティブな体験を楽しむことができなくなります。
研究の主執筆者であるUBCの健康心理学者ナンシー・シン氏は、十分な睡眠を得られない人々にとっては、それがよりストレスの多い日を招いてしまうことを説明しています。
「人は、抱擁したり、自然の中で時間を過ごしたり、前向きな出来事を経験すると、通常、その日を幸せに感じます。しかし、睡眠時間が通常よりも少ない場合、前向きな出来事からの、幸せな感情がそれほど湧きあがらないことがわかりました。」
ストレスは、さまざまな有害な影響に関連しており、睡眠不足によるダメージをさらに悪化させます。
この研究は、健康心理学誌(the journal Health Psychology)に掲載されています。
毎日の日記が物語を語る
「安眠の推奨ガイドラインは少なくとも7時間ですが、大人の3人に1人はこの基準を満たしていません。」
と、シン氏は言います。
不十分な睡眠の影響を調査するために、シン氏と彼女の同僚は、57%を女性が占める1,982人の米国に居住する人の既存のデータセットを分析しました。
研究の参加者は、研究開始時に、社会人口統計の詳細と既存の慢性状態について研究者に伝えました。
参加者は個々に毎日、日記をつけました。
8日間連続で毎日、電話による面接を受け、その際に参加者は前夜の睡眠時間を報告しました。
各人はまた、その日の出来事について説明しました。
彼らは、対人関係の緊張、議論、差別といった感覚、仕事仲間や家族に感じたストレスなど、遭遇した問題を思い出しました。
彼らはまた、その日に起こった良いことを思い出しました。
さらに、参加者はその日のポジティブとネガティブの両方の感情的反応について報告しました。
そこで出現したパターンは、参加者の睡眠が少ない場合に、それを維持したり、前向きに感じたりする能力の低下でした。
ストレスを経験したとき、彼らは感情のバランスを維持することがより困難であるとわかりました。そして、良いことが起来た時に、喜びや幸せの気持ちが弱められました。
そのような日々が続いてしまうと不愉快なだけではあません。シン氏自身のものを含む以前の研究では、陽性の感情を保持することができないことと炎症の間の関連性が、死亡と同様に発見されています。
より良い休息をとる
以前の研究では、糖尿病、癌、心臓病などの慢性的な健康状態の人は、ストレスの多い出来事に直面したときに感情的に反応する傾向があることがわかっています。
睡眠を増やすことでこれを防ぐことができると考えるシン氏は、次のように述べています。
「慢性疾患のある成人が、健康な成人よりも睡眠によりさらに大きな利益を得ることができるかどうかについて研究したいと思っています。」
この研究結果は、それが事実である可能性を示唆していると彼女は言います。
「慢性疾患のある人たちの場合、通常の睡眠時間と比較して睡眠が長いほど、翌日のポジティブな体験に対する反応が良くなることがわかりました。」
シン氏は、彼女が行ったような研究が、健康を維持しより良い一日を過ごすための方法として、十分な睡眠を得ることを優先するということへの説得材料になることを望んでいます。
【以下のリンクより引用】
Less sleep reduces our ability to maintain positivity
Medical News Today