睡眠不足?コーヒーはそれほど役に立たないかもしれない
2021 年 6 月 2 日 (ヘルスディニュース) ‐ 原因はわかっています ‐ それは夜更かし。
夜更かししすぎた次の日を過ごすのにコーヒーに頼っていましたが、新しい研究では、カフェインができることは限られていることを示しています。
1 杯または 2 杯のコーヒーを飲むだけで、翌日は起きていられるかもしれませんが、特に、より挑戦的である作業に関してのパフォーマンスは平均以下になる可能性があります。
ミシガン州立大学の睡眠と学習ラボにおいて、認知機能・認知神経科学の准教授である研究著者のキンバリー・フェン氏は、次のように述べています。
「カフェインはおそらく気分や眠気を改善する可能性が高く、単純作業に取り組むのには役立つ可能性がありますが、より複雑な作業を改善する効果はほとんどありません。」
「カフェインは一晩の睡眠に取って代わることはできません。睡眠を優先することが重要ですが、もし一晩眠らずに耐えなければならないなら、車の運転やリスクの高い作業を避けるといった必要な予防対策を行わねばなりません。」
とフェン氏は述べています。
睡眠不足に直面したときにカフェインでできること、できないことをよりよく理解するために、研究者は 275 人以上の人々に、単純な注意作業と、手順を飛ばしたり繰り返したりすることなく、特定の順序でタスクを完了する必要がある、より難しい作業を完了するといったテストを行いました。
人々は、研究室で一晩中起きているか、もしくは、自宅で就寝しました。
午前中、参加者全員が 200 ミリグラム (mg) のカフェインまたはプラセボを含むカプセルを摂取し、両方のタスクを再び完了しました。
8 オンス(約236ml)のレギュラー コーヒーには、75mg ~ 120 mg程度のカフェインが含まれています。
睡眠不足により、両方の作業効率が低下しました。
研究では、カフェインは人々がより簡単な作業を達成することは助けたものの、より難しい作業の達成ではそうではなかったことがわかりました。
「睡眠不足の場合、カフェインの摂取は反応時間を改善するだけです。必要となる手順を覚えることはできません。」
と、ロサンゼルスの睡眠医学の専門家で臨床心理学者のマイケル・ブレウス氏は述べています。
彼は新しい研究には関与していません。
この調査結果は最近、Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition(実験心理学誌: 学習、記憶、認知) に掲載されました。
調査に参加していない他の専門家は、睡眠不足は、特に長期的には危険であると即座に指摘しました。
「人々は睡眠不足を勇気の勲章のように身に着け、『睡眠はカフェインには勝らない』などと言いますが、それは真実ではなく、危険な場合があります。」
と、睡眠医学の専門家で、南カリフォルニア大学ケック医学校の臨床医学の助教授であり、アメリカ睡眠医学会の広報担当者である、ラジ・ダスグプタ博士は述べています。
「徹夜は、テストで成功するためには最悪なのです。」
と ダスグプタ博士は述べました。
「テストを受けるときや、仕事で複雑な作業をするときには、回復力のある質の良い、深い眠りが必要です。」
この研究では、カフェインが一晩の睡眠不足にどのように対処できるのかを調べただけですが、睡眠不足は慢性的になることが多いと、デトロイトにあるヘンリー フォード ヘルス システムの睡眠障害および研究センター( the Sleep Disorders and Research Center at Henry Ford Health System)の所長であるトーマス・ ロス氏は強調しました。
「一晩に5時間睡眠を取るとすると、初日はコーヒーが役に立ったとしても、5日目には睡眠負債が蓄積されるため、コーヒーはあまり役に立ちません。」
と説明しました。
また、コーヒーに対する耐性が発達し、目覚めるためにより多く摂取することが必要になってしまうといった副作用のリスクを高めると、フロリダ州フォートローダーデールで睡眠および内科専門医である、カミロ・ルイス博士は述べています。
「カフェインは、何年にもわたって集中力を高めるための一時的な興奮剤として使用されてきました。」
とルイス博士は言います。
「しかし、その効果は短く、動悸や排尿の増加といった副作用が、注意力の欠如や眠気自体よりも悪化する可能性があります。」
【以下のリンクより引用】
Sleep Deprived? Coffee Can Only Help So Much
Healthday