睡眠時無呼吸は重度のCOVID-19の可能性を高める
2021年5月18日(ヘルスディニュース)-重度の閉塞性睡眠時無呼吸症を患う人は、COVID-19に感染するリスクが高いことが新しい研究で明らかになっています。
しかし、カイザーパーマネンテ南カリフォルニアの研究者は、患者が睡眠中に持続陽圧呼吸器(CPAP)を使用する時間が長いほど、COVID-19感染のリスクが低下することも発見しています。
この研究では、呼吸器科医のデニス・ファン博士が率いるチームが、2015年から2020年の間で睡眠障害について評価された約82,000人の米国の患者に関するデータを収集しました。
彼らのうち、約1,500人がCOVID-19感染の検査で陽性と診断されていました。
224人が入院し、61人が集中治療室で治療を受けていたか、亡くなっていました。
睡眠時無呼吸が未治療であることは、COVID-19感染率の上昇と関連していたことが調査結果で示されました。
「パンデミック期間中に少なくとも、ひと晩4時間の治療が行われた場合、そして呼吸調整をスケジュール通り行っていたことでも感染率の低下が示されました。」
と研究者らは報告しました。
この研究ではまた、肥満、より慢性的な病気、およびメディケイドを使用していることがより高いCOVID-19感染率に関連があることがわかりました。
黒人とヒスパニック系の患者もCOVID-19感染率が高いことがわかりました。
高齢者は一般的にSARS-CoV-2に感染するリスクは高いですが、この研究は加齢と感染率の低下を関連付けています。
研究者たちはまた、CPAP療法を使用した無呼吸症の患者は、多くの場合、全く無呼吸でない患者よりもCOVID-19感染率がさらに低いことを発見しました。
「これは、CPAP療法が直接的に生理学的利益があることをさらに支持しています。」
とファン博士はアメリカ胸部学会からのニュースリリースで述べました。
ファン博士は、生物学的要因と行動的要因の両方で無呼吸とCOVID-19リスクとの関係に関与している可能性があると述べました。
「より重度の閉塞性睡眠時無呼吸による感染率の上昇と、睡眠時無呼吸とCOVID-19の間で共有される医学的な危険因子(男性という性別や肥満、既存の心血管疾患など)は、おそらく呼吸機能、気道炎症、睡眠の断片化といった影響を通じて、生物学的影響があるのでしょう。」
と彼は述べました。
同時に、高齢とCOVID感染率の低下との関連性は、彼らの行動が裏付けているとファン博士は述べました。
無呼吸の患者は高齢者である傾向があり、高齢の患者はマスクの着用、社会的距離、およびその他のパンデミック関連の行動にもっと注意を払って行動している可能性があると彼は述べました。
調査結果は直接的な生物学的要素と間接的な行動でも説明ができるかもしれないとファン博士は述べました。
「上気道閉塞と下気道閉塞の減少、肺拡張の改善、分泌物の流動の改善、および呼吸器の加熱加湿により、潜在的に保護されている可能性があります。」
と彼は述べました。
「しかし、感染リスクと、加齢、人種的、または、民族的マイノリティという地位、経済的地位の低下などの人口統計学的要因との関係では、社会経済的影響が働いているということが示唆されています。」
この調査結果は月曜日にアメリカ胸部学会のオンライン会議で発表されました。
医学会議で発表された所見は、査読付きジャーナルに発表されるまでは予備的なものと見なされます。
【以下のリンクより引用】
Sleep Apnea Raises Odds for Severe COVID-19
Healthday