研修医の訓練時間の短縮は患者に影響しない
米国の医療関係者が研修に費やす過酷な時間を削減しても、患者に対するケアが悪化するわけではないと新しい研究が示しています。
研修時間が2003年に週80時間に制限されたとき、何人かの批評家はそれが医療関係者の診療に害を及ぼすだろうと言いました。
主執筆者でハーバード大学医学部の健康管理政策の准教授であるアヌパム・イェーナ博士は、次のように述べています。
「これはおそらく医師の間で医学教育において最も熱く議論されている話題です。」
「古いシステムの下で訓練を受けた多くの医師は、現在の臨床医は新しいシステムの下で十分な訓練を受けられないと考えます。
研修を終えた若い医師を見ている多くの先輩医師たちは、“彼らは私たちのように患者と向き合う準備ができていません。”と言います。」
しかし、研究者たちは異なる発見をしました。
彼らは、研修時間の上限が設定される前後に、486,000近くの入院患者を分析し、新しい医師によって提供される治療の質に、
何らかの影響があったという証拠を確認できませんでした。
この研究では、研修時間の前後に、臨床医と訓練を完了した研修医の間で、30日の死亡と30日の病院への再入院、または入院患者の支出に
有意差はないことがわかりました。
例えば、2000年から2006年、2007年から2012年の新人臨床医による治療を受けた患者の30日以内での死亡率は、それぞれ10.6%と9.6%でした。
比較すると、10年目の臨床医による治療を受けた患者の30日死亡率は、2000年から2006年の間に11.2%、2007年から2012年の間に10.6%でした。
2000年〜2006年と2007年〜2012年の両方で1年目の医師による治療を受けた患者の入院率は、上級医師による治療を受けた患者のそれぞれ、
20.1%および20.5%と比較して、20.4%でした。
「我々は、週80時間のモデルで訓練を受けた医師によって提供されたケアが最適であるという証拠は見つけられませんでした。」
と、イェーナ博士はハーバード大学のニュースリリースで述べています。
この研究は7月11日にBMJで発表されました。
週80時間の上限は、医療従事者の疲労によって引き起こされる臨床医の誤診が原因であると考えられた多くの患者の
怪我や死亡事故が確認された後に実施されています。
【以下のウェブサイトより引用】