研究が示す:コロナウイルス症例の81%は「軽度」
中国疾病管理予防センター(CCDC)による新しい論文では、コロナウイルスの症例の大部分が軽度であり、高齢者や他に疾患がある人々が最も危険であることが解っています。
CCDCの新型コロナウイルス肺炎緊急応答疫学チームは、2020年2月11日現在で確認されたすべてのコロナウイルス症例を分析しました。
専門家は最近、新規コロナウイルスを『SARS-CoV-2』と名付けました。
このウイルスの感染が引き起こす病気は『COVID-19』と呼ばれています。
新しい研究において、CCDCのチームは、中国の感染症情報システムが記録したすべてのCOVID-19の症例を調査しました。
科学者は分析に以下を含めました。
- 患者の特徴についての要約
- 年齢と性別によるウイルスの広がりの分析
- 死亡および「致死率」の計算
- 時間と地理的空間などでのウイルスの広がりの分析
- 疫学的カーブ、または発生を視覚的に表示
- 中国の湖北省以外での症例のサブグループ分析と「全国の医療従事者の症例全て」
この調査結果は、CCDCウィークリー誌に掲載されています。
症例の80.9%は「軽度」
研究者は、合計72,314件の患者記録を分析しました。
これには、44,672人(61.8%)の確定症例、16,186人(22.4%)の疑い症例、10,567人(14.6%)の臨床診断症例、889人の無症状の症例(1.2%)が含まれていました。
確定症例となった人の総数のうち、80.9%が「軽度」であると思われました。また、感染した成人のほとんどは30歳〜79歳でした。
確認された症例の総数のうち、1,023人が死亡し、その死亡率は2.3%に相当します。
このウイルスは、男性(2.8%) が女性(1.7%)よりも致命的であることがわかりました。
SARSより致死率は低い
重要なこととしては、この研究により年齢とともに死亡率が上昇することがわかりました。
具体的には、39歳までの死亡率は0.2%、40歳での死亡率は0.4%、50代では1.3%、60代では3.6%、70代以上の人では8%です。
世界保健機関(WHO)による比較では、健康専門家が、2002年から2003年に影響を与えたとする重症急性呼吸器症候群(SARS)では、感染者はより少ないものの、死亡率は14%~15%であったと伝えています。
ウイルスの地理的時間的広がりに関して、この研究では次のように報告しています。
「COVID-19は2019年12月以降の湖北省から中国全土へ広がり、2020年2月11日までに、1,386郡31省すべてが感染の影響を受けました。」
この研究では、心血管疾患のある人がコロナウイルスによる死亡のリスクが最も高く、糖尿病、慢性呼吸器疾患、高血圧、癌の患者がそれに続くことがわかりました。
さらに、著者は、「全体的な流行曲線の下降傾向」 に注目しています。
流行曲線は、症状の発症が、『1月23日から26日頃にピークに達し、その後減少し始め、2月11日まで続く』 ということを示しました。
彼らは、これはおそらく都市全体を隔離し、重要な情報(例えば、手洗い、マスクの着用、ケアサービスの促進)を、複数のチャンネルを通じて報じ、迅速に対応チームを動員することが流行の抑制に役立つと追加しています。
しかし、著者は、流行の「跳ね返り」の可能性が依然として非常に高いことを警告しています。
「COVID-19の流行は非常に急速に広がり、湖北省から中国本土のその他の地域に広がるのに、たった30日しかかかりませんでした。
多くの人々が長期休暇から戻ってきたため、中国は流行の跳ね返りに備える必要があります。」
また、この調査では、合計1,716人の医療従事者が感染し、5人(0.3%)が死亡したことがわかりました。
しかし、武漢の医療従事者の重症例の割合は、ピーク時(1月28日)の38.9%から2月上旬の12.7%に徐々に低下しています。
【以下のリンクより引用】
Coronavirus: 81% of cases are 'mild,' study says
Medical news today