研究が示す、慢性疾患に対してジェネリック医薬品とブランド医薬品の同等の有効性
最近の研究では、慢性疾患に対するジェネリック医薬品の使用が、ブランド製品の使用と同等の臨床転帰があるという証拠が示されています。
処方薬のジェネリック版は患者にとってより安価な代替品ではありますが、多くの人はジェネリック薬をそれらのブランド品より効果が少なく安全ではないと感じているようです。
PLOS Medicine誌に発表されたこの研究では、糖尿病、高血圧、骨粗鬆症、鬱病や不安症などの慢性疾患の患者においてジェネリック薬とブランド薬での使用比較結果について、評価しています。
研究者らは良いイメージで認識されていないという偏りを軽減するために、コントロールグループとして承認ジェネリック薬(AG)を使用しました。
AGはブランド名の医薬品と化学組成および外観が同一であるもののジェネリックとして市販されています。
この分析のために、研究者たちは350万人以上の患者を対象とした2つの米国の大規模な商業データベースからのデータを使用しました。
そして、以下のグループを比較しました。
ブランド品からジェネリック医薬品へ切り替えた患者、対、ジェネリック医薬品および、AGによる治療を既に開始している患者。
この試験では、下記の8種類の製品について調査されました。
- アムロジピン
- アムロジピン/ベナゼプリル配合薬
- キナプリル
- アレンドロネート
- カルシトニン
- セルトラリン
- エスシタロプラム
- グリピジド
ブランド製品と比較した場合、アレンドロネートとカルシトニン、グリピジド、およびキナプリルのジェネリック製品は、臨床転帰に差がありませんでした。
データによると、アムロジピンおよびアムロジピン/ベナゼプリル配合薬について、ジェネリック薬とブランド薬の比較では複合心血管エンドポイントが低リスクであることが観察されました。
分析された16例の臨床的評価項目のうち、4例のみが異なる結果と関連していました。
3つのジェネリック医薬品と1つのブランド品のアムロジピンでAGへの切り替えが支持されました。
研究者らは、ブランド薬を服用している人と比較して、ジェネリック薬とAGのエスシタロプラムとセルトラリンを服用している患者の方が精神科入院率が高いことを発見しました。
これらの結果はおそらく、残留物の混在または一般的な認識の偏りによるものであると、研究者らは指摘しています。
ジェネリック薬の使用量が増えているにもかかわらず、否定的な認識は依然として代替的でより安価な薬の選択肢を使用することから、一部の患者を遠ざけています。
また、より安価なジェネリック版が入手可能なってからブランド製品に切り替えると、患者および医療機関に不要な費用がかかる可能性があります。
「これらの結果は、医師と患者のジェネリック医薬品に対する否定的な認識を払拭し、ジェネリック薬とブランド薬の同等性に関する認識を高めるための教育的な介入を導くということでの
臨床診療に役立つ可能性があります。」
と研究者は書いています。
【以下のウェブサイトより引用】