研究報告:糖尿病薬は膀胱がんに関連なし
糖尿病薬アクトス(ピオグリタゾン)が薬の使用者の膀胱がんのリスクを高める可能性があること示唆した以前の小規模な研究がありましたが、新規に行われた大規模な研究では、そのような根拠は見当たらないと報告されています。
しかし研究ではアクトス(ピオグリタゾン)の使用と膵臓癌のリスクの上昇と関連を決定づけることはわかっておらず、専門家は結論に至るには時期尚早だと述べています。
研究者による説明では、いくつかの先行研究が、アクトスの使用による膀胱癌のリスクの増加を示唆していました。
米国オークランドにあるカイザーパーマネンテ北カリフォルニアのアッシアミラ・フェラーラ博士が率いるチームはさらに、約20万人の糖尿病患者の長期的データを調べました。
彼らは、アクトスと膀胱癌リスクの増加との間に統計学的に有意な関連がないことを発見しました。しかし、わずかなリスクの増加は除外することはできないと述べています。
フェラーラ博士はまた、236,000人以上の糖尿病患者の別のグループの長期データを分析し、アクトスを摂取すると膵臓癌のリスクが約40%増加することを発見しています。
しかし、これについては研究の余地があり、更なる調査が必要だと研究者らは述べています。
ある専門家は、アクトスの使用が膵臓癌を引き起こす原因のひとつとなることを、このタイプの研究から結論づけるのは難しいと述べており、この意見は同調されています。
イゴール・アスサトゥロフ博士はフィラデルフィアにある国内有数の癌治療センター、フォックス・チェイス・キャンサー・センターの医療腫瘍学の主治医です。
彼は、炎症は膵臓癌においての重要な危険因子であり、慢性炎症は糖尿病患者によくみられると指摘しました。
「ほとんどの場合、糖尿病の膵臓癌への関連性は、“膵臓に慢性炎症がある”といった共通分母が存在します。」と彼は説明しました。
より危険度の高い糖尿病症例を持つ肥満者は、アクトスが処方される可能性がより高いことが考えられるため、それは、薬そのものではなく、糖尿病に関連する炎症が原因である可能性があるとアスサトゥロフ博士は述べています。
【以下のウェブサイトより引用】