研究者らはレム睡眠行動障害に対する潜在的な新しい治療法を特定

マウントサイナイの研究者らは、「急速眼球運動（REM）睡眠行動障害」の新しい治療法を特定する初の研究を発表しました。

この症状は300万人以上のアメリカ人に見られそのほとんどが50歳以上の成人ですが、彼らは無意識のうちに、睡眠中に声を上げたり突然激しく腕や脚を動かしたりといった夢を現実に再現してしまうことが多く、自分自身や一緒に寝ている家族に重大な怪我を負わせています。

5月25日に『Journal of Neuroscience』誌に掲載されたこの新しい研究は、タウタンパク質の蓄積に関連し、時間の経過とともに脳細胞が機能を失う神経変性によってレム睡眠行動障害がどのように発症するかをよりよく特徴付ける新しい例を示しています。

この症例は、差し迫った脳の劣化を示す早期のバイオマーカーを提供し、将来の予防と治療の指針となる可能性があります。

この論文はまた、「デュアルオレキシン受容体拮抗薬」として知られる不眠症、または、入眠や眠りの継続が困難な症状の治療に一般的に使用される睡眠薬がレム睡眠行動障害を大幅に軽減できることを初めて実証しました。

この疾患に対する現在の治療選択肢は主にメラトニンとクロノピンとしても知られるクロナゼパムに限定されているため、これらの発見は副作用が少ない可能性のある有望な新しい治療法を示唆しています。

「私たちは、神経変性が進行するにつれて睡眠の質がどのように低下するのか、そしてそのような変化を緩和する方法があるのかどうかを理解しようとしました。」

とマウントサイナイのアイカーン医科大学で呼吸器、救命救急、睡眠医学の准教授を務める主要著者のアンドリュー・W・ヴァルガ医学博士は述べました。

「我々は、タウタンパク質の蓄積に伴う神経変性によりレム睡眠行動障害が発症する可能性がある新規モデルと、レム睡眠行動障害を最小限に抑えることができる新規治療法を特定しました。」

マウントサイナイの研究者らは、マウスモデルを使用して、通常は脳内の神経細胞の内部骨格を安定させるのに役立つタンパク質であるタウが異常に沈着された後の脳を検査することにより、神経変性疾患を研究しました。

研究者らは、覚醒状態、レム睡眠（夢を見ながら眠っている）段階、ノンレム睡眠（夢を見ずに眠っている）段階、睡眠の長さ、入眠の状態、そして、いくつかの要因が年齢とどのように関連するかを含む行動状態を分析しました。

高齢の被験者の3分の1近くが、咀嚼や手足の伸展など、レム睡眠行動障害を思わせる夢実現行動を示しました。

睡眠を明期と暗期で評価するために、24時間以内にデュアルオレキシン受容体拮抗薬を2回投与した後、研究者らは、この薬が眠りにつくまでの時間を短縮し睡眠の質と睡眠の継続時間をのばしただけでなく、夢の実現レベルも低下させたことを観察しました。

研究者らは、この薬が既にFDAに承認され、不眠症患者の治療に利用可能であることを考慮すると、この研究結果が人間のレム睡眠行動障害を治療するためのデュアルオレキシン受容体拮抗薬の今後の治験を促進することを期待しています。

「タウの蓄積に関連した進行性の神経変性による睡眠の質の低下が見つかるとは予想していましたが、夢の実現化が観察されたことは驚きました。」

と、マウントサイナイのアイカーン医科大学で呼吸器、救命救急、睡眠医学の助教授である主要著者のコーリー・カム博士は述べました。

「デュアルオレキシン受容体アンタゴニストが夢の実現行動を大幅に最小限に抑えることができることが観察できたことはさらに驚きであり、ワクワクしました。」

この研究は、アルツハイマー病協会とメルク研究者研究プログラムからの資金提供によって支援されました。

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ScienceDaily

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