社交的でいることが認知症の予防に
2019年8月5日(HealthDay News)-年をとっても社会参加を続けることで、認知症を寄せ付けないという証拠が増え続けています。
新しい研究で、英国の研究者は、50代、60代の時に社会的な活動を行うことで、認知症を発症するリスクを減らすことができることを 発見しました。
調査結果によると、60代で、ほぼ毎日友人と交流している人は、数か月に数人の友人に会うだけだった人よりも認知症を発症するリスクが12% 低いことがわかりました。
「これは中年の人々にとっては重要な意味を持ちます。社会的に活動し続けることは脳の健康にとって重要であることを示唆しています。 私たちは、心身の健康へ利益をもたらすことが、他の健康上の利点もあるということを知っています。」
と、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの精神医学部門の研究員である主任研究員のアンドリュー・ソマーラッド博士は述べています。
中年期での社会活動は、記憶力と推論能力の向上と関連しているようです。
「これは、社会的な接触が、記憶や言語のような思考のさまざまな側面を行使する機会を与え、認知症を発症する人々の脳に蓄積する損傷に 対して、人々をより強くする可能性があるためだと思います。」とソマーラッド博士は説明しました。
この調査のために、ソマーラッド博士と彼の同僚は、1985年から2013年の間に『ホワイトホールII』研究に参加した10,200人以上のデータを 収集しました。
研究期間中に、参加者は友人や親族、親戚との接触について尋ねられました。
1997年、研究参加者は思考能力のテストも受けました。そしてこのグループには2017年まで追跡調査が行われました。
研究者たちはまた、50歳と70歳の人たちの社会的に活動的であることと、認知症リスクとの関連を見つけましたが、それは、統計的に有意では ありませんでした。
ソマーラッド博士は、他の研究でも同様の結果が示されたが、この研究はより長い時間にわたり追跡したものだと述べました。
「これは、社会的なかかわりが多いことが認知症リスクを減らすかもしれないという考えを私たちに確信させるものですが、このような研究は それを決定的に証明することはできません。」
いずれにせよ、ソマーラッド博士は人々が社会的につながりを持ち続けることを奨励しました。
サム・ガンディ博士は、ニューヨーク市にあるマウントシナイ認知健康センターの所長です。
彼は、「これらの発見は正しいと信じられがちです。」と述べました。
多くの研究は、精神的および身体的に活発であることが、知力を鋭く保つことに影響することを示していると彼は指摘しました。
「身体活動や精神的な刺激、および社会への関与に関する研究は、世界中のあちらこちらにあります。」とガンディ博士は言います。
これらの研究において、患者の中には、認知症の初期段階である軽度の認知障害が始まっている人もいるかもしれないと彼は言います。 しかしそういった可能性はよく知られており、研究者たちはそれを考慮に入れていると確信しています。
ガンディ博士は肝心なことは、血圧とコレステロールを低い値に保ち、健康的な食事を摂りながら健康体重を維持し、精神的および社会的に 活動的であり続けることが、認知症の発症を遅らせる、または予防するための最良のレシピであるといいます。
いくつかの研究では、認知症の人でさえ健康的なライフスタイルから利益を得ることができることが示されていると彼は付け加えました。
ガンディ博士は、認知症の初期の兆候がある人にとって、これらの介入には何らかの価値があると考えています。
「しかし中期から後期の認知症の人や、寝たきりである人には向いていない対策かもしれません。」と彼は述べました。
この報告は、8月2日にPLOS Medicineで公開されました。
【以下のウェブサイトより引用】
Stay Social to Help Cut Your Odds of Dementia
HealthDay News