社会的経済的要因が乾癬治療の結果に影響
広範囲に乾癬が現れている5歳の患者での症例により、適切な医療の障壁を作り出す可能性のある社会経済的要因が多様であることが示されています。
また、この症例を報告したミズーリ大学ミズーリ大学医学部の医師によると、医師は患者の擁護者として行動する責任があるということを念頭に置き、独自の状況を考慮して結果を最適化できる個別の治療計画を、患者へ提供するようにする要があります。
この患者には、頭皮、顔、手足、胴体を覆うように角質増殖性の銀色の鱗屑を伴った紅斑がみられました。
彼は、過去2カ月間にの発疹と疲労が進行し、それが悪化していることを報告しました。
患者は統合失調症の既往歴があり、医療機関へのアクセスがかぎられており、主治医による定期的な診察は受けていませんでした。
患者は、21歳で最初に発疹を発症し、その後尋常性乾癬と診断されたと言っていました。
以前の治療では、コルチコステロイド薬(トリアムシノロンとクロベタゾール)および全身療法、そして、メトトレキサートとシクロスポリンによる治療が含まれていましたが、効果は最小限のものでした。
最近、患者はアプレミラストによる治療を開始し、彼は乾癬の制御に有効であると報告していました。しかし、薬の費用と、通院が困難である状況により正しい治療が受けられていませんでした。
発疹が重症で、広範囲に広がっているため、患者を診察した医師は患者へそれがプラーク乾癬であるかどうかを質問しました。
皮膚生検が実施され、その結果により診断が確認されました。
患者は局所トリアムシノロンを処方され、それは、発疹を著しく改善するのに効果的でした。
症例報告を行った著者は、それが複数の全身的および社会経済的な障壁のために治療されなかった一般的で容易に治療されるはずの疾患の極端な症状であることに注目しました。
ヘルスケアの全体的なコストが上昇する傾向を引用して、彼らは、患者に最適で手頃な価格のケアを提供する方法を見つけることが非常に難しくなるだろうと警告しました。
著者はまた、患者の自己負担額が高くなるということが、医療費の上昇とは別の結果であることを指摘しました。
報告された症例での出来事のように、投薬治療にかかる費用のために治療が正しく行えない可能性があります。
さらに、著者は、投薬を遵守しないことが慢性疾患のある患者が疾患の管理において、より独立することを提唱する運動の、意図しない結果である可能性があると懸念を呈しました。
報告された症例を再度参照すると、著者は、このタイプの治療例は一部の個人にとっては、本質的に欠陥があり、治療の失敗を導くものであると指摘しました。
薬物の用法を守らないことの根底にある要因に関する、別の公開論文を引用して、この症例の著者は次のように述べています。
「医療へのアクセスが限られている患者、ヘルスリテラシーが不十分である、およびその他の社会経済的障壁がある患者において、効果的な治療計画を立てる際には、ソーシャルサポートシステム、計画された介入による費用対効果、および患者本人への負担などを、をすべて考慮する必要があります。」
【以下のリンクより引用】
Socioeconomic factors affect psoriasis treatment outcomes
Dermatology Times