社会経済的弱者と加齢に伴う筋力の喪失との関連
ダブリン大学トリニティ・カレッジの新しい研究によると、サルコペニアとして知られる加齢に伴う筋萎縮は、社会経済的不利益が最も少ない成人(21%)と比較して、社会経済的不利益が最も多い成人(47%)で2倍となることがわかりました。
この一貫した証拠は、「私たちの筋肉は重要である」ことを示しています。
確かに、生涯を通じて骨格筋の強さを維持することは、健康的に年をとることには重要であり、生活の質の向上と運動障害、入院、および死亡のリスクの低下と関連しています。
この研究は最近、ジャーナル『Journal of Frailty & Aging』に掲載されました。
この研究結果は、60歳以上の成人6,052人の英国縦断研究のデータの横断的分析に基づいています。
高齢者のサルコペニアに関する欧州作業部会2(EWGSOP2)の低筋力ガイドラインに従い、我々は「おそらくサルコペニア」に分類される人々を評価しました。
サルコペニアである可能性の検出は、主に運動と食事療法といった介入を正当化するのに十分な証拠と見なされます。
教育と主観的な社会的地位は、この集団の社会経済的地位(SEP)のマーカーとして評価されました。
主な調査結果
●60歳以上の高齢者の3分の1以上(34%)がサルコペニアの可能性があり
●サルコペニアの可能性は、最も社会経済的弱者のグループにおいて2倍以上(47%対21%)。
●多変量回帰分析では、社会経済的弱者であることはサルコペニアの可能性の独立した決定要因であり、この所見は、SEPまたはサルコペニアの可能性がどのように測定されたかに関係なく一貫
●高齢、運動不足、慢性疾患、栄養不足、マイノリティグループの民族性など、サルコペニアのその他の既知の危険因子が特定
●この研究がアイルランドの老化縦断研究(TILDA)によるアイルランドの成人の最近の結果を裏付けている
●研究結果は、サルコペニアの予防と治療のための政策と実践について、社会経済的弱者で対処する必要性を浮き彫りにしている 「処方されるべき治療方法」には、身体活動と食事(たとえば、適切な食事タンパク質、栄養失調の予防)などがあり、これらを率先したサポートでは、地元コミュニティの高齢者が利用でき、受け入れられるものである必要があります。
トリニティ・カレッジ臨床医学部門のマリア・オサリバン准教授は次のように述べています。
「サルコペニアは世界的な公衆衛生問題であり、多くの病気と同様に、社会で最も社会経済的に不利な立場にある人々に不平等な負担をかけることを示しています。経済的に不利な立場にあることがサルコペニアを発症するリスクを高め、食事療法や運動による予防や治療へのアクセスを減らす可能性があります。
私たちは年をとるにつれて骨格筋が失われるということの認識を高める必要があり、高齢者が利用できる包括的な予防プログラムが必要です。」
トリニティ・カレッジ臨床医学部門のローレン・スワン博士候補者は次のように述べています。
「サルコペニアの治療と予防の方針が包括的であり、社会経済的不利益を考慮に入れることを確実にすることの必要性と、そうした機会への要望が高まっています。
アイルランドの医療制度であるSláintecareの実施戦略と、最近の英国政府のレベルアップ白書に概説されているように、国内外の健康の不平等に取り組むことを目的とした最近の戦略を考慮すると、この、研究結果はタイムリーなものです。」
【以下のリンクより引用】
Age-related muscle loss linked to socioeconomic disadvantage
Medical Xpress
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