神経温存前立腺全摘出術後でのタダラフィルでの治療結果

限局性前立腺癌（PCA）に起因した神経温存前立腺全摘出術（NSRP）を受けた患者に対して、低用量のタダラフィルを投与した際の効果を評価しました。
2012年から2014年の間に、PCAに起因したNSRPを受けた138人の患者で、そのうち、術前に勃起不全（ED）がなかった患者55人が研究に参加しました。
被験者の年齢範囲は54歳から72歳までで平均年齢は64歳でした。

手術後15日目には、超音波評価をし、その後、55人の被験者は全て2.5ヶ月継続して日用量5mgのタダラフィルでの治療を開始しました。
被験者の勃起機能については、術前、術後、そして国際指標勃起の機能（IIEF-5）試験を使用し、手術後各3カ月、6カ月の時点で評価されました。

被験者はいずれも、手術の前または後にホルモン療法または放射線療法では治療されませんでした。
その結果、タダラフィルの副作用が原因で3人の被験者が研究から除外され、2人の被験者が途中で治療を中止しました。

術前の勃起機能が正常であった残りの50人のうち、手術後3ヶ月の時点で、36人（72％）の勃起機能は正常でした。
残りの被験者のうち、6人（12％）が軽度、2人（４％）が中程度で、6人には重度の勃起不全が見られました。

手術後6カ月の段階では、35人（70％）の被験者は、正常な勃起機能を有していた一方、7人（14％）は軽度、3人（6％）は中等度、および5人（10％）には重度の勃起不全が見られました。
3ヶ月目と６ヶ月目のフォローアップ（P>0.05）に得られた結果間で、統計的には、有意な差は認められませんでした。

3人の被験者はタダラフィルの副作用として、２人（3.6％）が顔のほてり、および1人（1.8％）が頭痛を報告しました。
この研究の結論としては、両側性神経温存前立腺全摘出術（NSRP）を受けた患者への、タダラフィル5mgの術後投与は、勃起機能の回復および維持にプラスの効果があることが見出されました。
しかしながら、もう少し大規模な症例での調査を行う必要性が依然としてあります。

(記事元)　http://www.urotoday.com/