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科学者によると、少なくとも4つの加齢方法がある

同窓会に参加したことがある人なら誰でも、老化具合は人によって異なるという事実を目にしたことがあるでしょう。
ほんの数十年の間に1世紀が経過してしまったように見える同級生もいれば、見た目が卒業時と変わらないような人もいます。

月曜日にネイチャーメディシンで発表された研究では、分子レベルで私たちに何が起こっているのかを深く調査され、人によって老化方法が異なる理由に関する一つの可能性が提示されました。
この研究によって、いつか標的薬物やライフスタイルの変更を通じて、個人の加齢プロセスに影響を与えることができるようになる可能性が浮上しました。

それでも、スタンフォード大学の科学者グループが「加齢型」と呼ぶものに関するこの研究は、まだ初期段階にあります。
しかし、外部の専門家は、この研究は加齢に関する知識を深めるための重要なステップであると述べています。

「このような有望な研究によって、プレシジョン・メディシンの目標と合わせて、より正確な介入を行うことができる可能性が示されました。」と、レイチェル・ウー氏は言います。
彼女はカリフォルニア大学リバーサイド校心理学部で加齢研究を行う助教授であり、この新しい研究には関与していません。

この研究で、研究者らは2年間にわたり、健康な成人43人の追跡調査を行い、血液やその他生物学的サンプルを分析することで、様々な分子的変化を探しました。

「加齢速度は人によって異なりますが、これと同等に、もしくはそれ以上に重要なのは、どの部分で異なる老化が見られるか、ということです。」と、研究著者のマイケル・スナイダー氏は言います。
彼は、スタンフォード大学医学部遺伝学科腸および教授を務めています。

これは、体のどの部分で加齢プロセスが最も活発であるか、ということです。
彼らは、人は免疫、腎臓、肝臓、代謝、4つの生物学的老化経路いずれかに該当する傾向にあることを見出しました。

スナイダー氏は、例えば代謝老化型の人は、加齢に伴い2型糖尿病リスクが高まる可能性があると述べています。
免疫老化型の人は、炎症の産生量が増えることで、免疫関連疾患リスクが高まる可能性があります。
肝臓および腎臓老化型の人は、それぞれ肝臓もしくは腎臓疾患に罹りやすくなる可能性があります。
老化経路は、例えば心臓発作を起こしやすい心血管老化型など、他にもある可能性があります。
しかしこの研究では、4つの主な老化型に限定されました。

複数の老化型に当てはまった被験者もいれば、4つの老化型すべてに当てはまった人もいました。

「人は歳を重ねるにつれて、加齢について心配し始めます。」と、スナイダー氏はNBCニュースの取材に応えました。
理論的には、自分の加齢型および加齢プロセスの速度がわかれば、それに合わせて積極的な行動を取れるようになるかもしれません。

カリフォルニア大学リバーサイド校のウー氏はこれに同意し、以下のように述べています。
「ライフスタイル要因が個人の生物学的老化パターンと相互作用するとすれば、成人期におけるより効果的でカスタマイズされた加齢介入法を開発するため、この相互作用がどのようにして起こるかをさらに調査し、証明することが重要です。」

「あなた自身の老化速度が、平均集団と比較してはるかに速かった場合を想像してみて下さい。」と、スナイダー氏は言います。
「運動量を増やすために階段を使う回数を増やし、エレベーターを使う回数を減らすモチベーションになるかもしれません。」
もしくは、循環器系の加齢が早まる加齢型に該当する人は、動脈のカルシウム蓄積を検出するために、レントゲン検査を受ける回数を増やすかもしれません。

しかし、このような加齢型による介入を行うことで、疾患発症や早期死亡が減るのでしょうか?

「そこが欠けているのです。」と、スナイダー氏は言います。
しかし、ライフスタイルの変更を行うことで、少なくとも短期的に加齢マーカーを減少させたり、遅らせることができた被験者はほとんどいませんでした。
ライフスタイルの変更による長期的な影響は、明らかになっていません。
中には、研究期間にわたって加齢速度が平均よりも遅いことが示された、幸運な被験者もいました。
しかし研究者らは、これらの人と他の人を分けるものが何であるのかを、未だに理解できていません。

厳密にいえば、誰もが皆、生まれる前から老化し始めています。
各成長段階は、全て加齢プロセスの一部です。
そして、遺伝や環境など様々な要因が関係してきます。

私たちの加齢方法だけではなく、加齢が起こる理由や、潜在的な介入法に関する研究の数は増加しており、この研究によってまた一つ情報が増えました。

アルツハイマー病などの加齢関連疾患に関与する基本的な加齢プロセスを標的とした臨床試験が、既に進行中です。

「加齢プロセスの一部を修正できる可能性のある薬や様々な種類の食事介入、ライフスタイル介入が存在します。」と、ジェームス・キルクランド氏は言います。
彼は、ミネソタ州にあるメイヨークリニックのコゴッド加齢センター長および老年学者を務めています。

「しかし、これらの介入法を正しく適用するためには」と彼は言い、次のように続けています。「出費に見合う価値を最大限にするためには、誰にどの薬、もしくはどの食事介入を使用すべきか知る必要があります。」
キルクランド氏は、この最新の研究には関与していません。

「血液検査に基づいて今後起こる問題を知ることができるというのは良いのですが、その問題に対して何かしらの対策を講じる必要があります。」と、キルクランド氏は付け加えています。

疾患や障害リスクを減少することが既に証明されている方法は存在します。
これは、喫煙せず、減量し、たくさん運動し、野菜や果物を豊富に含む健康的な食生活を実践することです。

しかし、これらの目標全てを達成できる人はわずかです。
スナイダー氏は、個々人の加齢型に合わせてカスタマイズすれば、人々が必要なライフスタイルの調節を実行しやすくなるのではないかと考えています。

「私は、この情報は役に立つと思います。」と彼は言います。
「自分は何のリスクが高いかということが判れば、モチベーションの向上に繋がるでしょう。」

出典 2020年1月14日更新 NBC News『There are at least 4 different ways of aging, scientists say』(2020年1月20日に利用)
https://www.nbcnews.com/health/aging/there-are-least-4-different-ways-aging-scientists-say-n1112796