簡単な巻尺が糖尿病の予測にどのように役立つのか
2021年9月8日(AHA-アメリカ心臓協会のニュース)- 新しい研究によると、ウエストを測定することは、正常な血糖値の黒人の間では、糖尿病の発症を予測するのに不可欠な方法かもしれません。
研究者によると、問題はウエストのサイズについては健康診断では見過ごされがちであるということです。
水曜日にアメリカ心臓協会誌(Journal of the American Heart Association)に発表されたこの研究は、黒人の国民での糖尿病のリスクを最もよく判断する方法に焦点を当てました。
糖尿病は血糖値を上昇させ、目、腎臓、神経、または心臓にダメージを与える可能性のある疾患です。
アメリカ心臓協会の統計によると、米国では10人に1人が糖尿病を患っていますが、その数は黒人男性(14.7%)および黒人女性(13.4%)の方が高くなっています。
連邦政府のデータによると、黒人は白人の2倍、糖尿病で死亡する可能性があり、また糖尿病の制御不能により入院する可能性が3倍の確率です。
研究者は、ウエストと肥満度指数を測定し、体脂肪を評価するためにさまざまな種類の血液型と画像検査を受けた、『糖尿病でない約4,000人の黒人成人』について調査を行いました。
参加者は、正常な血糖値または前糖尿病のいずれかを患っていました。
前糖尿病は、血糖値が正常よりも高いものの、糖尿病と見なされるほど高くはない場合での深刻な状態のことです。
研究開始から約5年後、この研究では、単純なA1C血液検査が、前糖尿病を患っている人々の将来の糖尿病を予測するための最良のマーカーであることがわかりました。
この検査では、過去3か月間の平均血糖値を測定します。
しかし、血糖値が正常な参加者の場合、研究者らは、胴囲だけでなく、肝臓の脂肪や、体の奥深くにある腹部の臓器を取り巻く脂肪の一種である内臓脂肪組織を測定する方がよいことを発見しました。
内臓脂肪と肝臓脂肪の測定は複雑で費用がかかる可能性がありますが、胴囲の測定は簡単で安価であると、研究の筆頭著者であるジョシュアJ.ジョセフ博士は述べています。
「古き良き巻尺だけが必要なのです。」
と、オハイオ州コロンバスにあるオハイオ州立大学ウェクスナー医療センターの内分泌・糖尿病・代謝部門の助教授であるジョセフ博士は述べています。
「近年、来院時に胴囲を測定することはほとんどありません。私たちの研究は、肥満などの他の状態でも同様に、実際にそれを行うことの重要性を強調しています、」
と彼は述べました。
AHAの統計によると、黒人では、女性の約55%と男性の38%が肥満です。
肥満は糖尿病の主な原因となるため、ジョセフ博士は健康体重を維持し、栄養価の高い食事をとり、身体的に活動することが重要であると述べました。
しかし、これらの変更を行い、維持することは容易ではないことをジョセフ博士は認めています。
「より大きな問題は、こういった人々をどのようにして、プログラムに参加させ、実際に腰囲のサイズを改善し生活を改善するのに役立つかを確認することです。」
ジョセフ博士によると、考えられる解決策は、医師が患者のために身体活動コースとトレーニングを処方し、栄養価の高い料理教室に登録してコミュニティガーデンに参加することを奨励することです。
「また、すべての人種および民族グループにまたがる障壁に対処する必要があります。コミュニティに歩道がない場合、外に出て長い散歩をするのははるかに困難です。」
と彼は言いました。
「誰もがより長く、より健康的な生活を送ることができるようにするために、私たちは、学者としてコミュニティのステークホルダーとともに、これらの健康の社会的決定要因に実際に取り組むために、企業や政府機関として集中的に取り組む必要があります。」
研究に関与していなかったミシェル・ケルシー博士は、この研究はミシシッピ州の黒人成人に焦点を当てているために制限されていると述べました。
「結果はすべてのアフリカ系アメリカ人に一般化できるわけではないかもしれません。」
さらに、彼女は、研究に参加した全員がウエストサイズとBMIを測定したものの、全員が同じ血液検査と画像検査を受けたわけではないと述べています。
それでも、ケルシー博士はこの研究についてこう述べています。
「これは誰が糖尿病を発症する可能性があるかをよりよく理解するのに役立つ重要な論文です。リスクの高い人を早期に特定できれば、運動や食生活の改善のために早期に介入することが可能ですので、それらの人が糖尿病やそれによるすべての合併症を発症することはありません。」
と述べています。
ノースカロライナ州ダーラムにあるデューク大学医療センターの心臓病学フェロー兼研究者であるケルシー博士は、人のBMIを測定することは依然として重要であるものの、この研究はすべての体脂肪が同じように作られるわけではないことを思い出させてくれるものであると言います。
「内臓脂肪(腹部)が増加するマーカーのいくつかが糖尿病の発症に関連していることはわかっています。」
と彼女は言いました。
「BMI(ボディマス指数)よりも、ウエスト周囲サイズから、将来の糖尿病のリスクについて私たちはもっと情報を得られるかもしれません。」
【以下のリンクより引用】
AHA News: How a Simple Tape Measure May Help Predict Diabetes in Black Adults
Healthday
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