米・CDCがA型肝炎感染症の急増を報告
2019年5月9日木曜日(HealthDay News) -
A型肝炎に感染したアメリカ人の数は、このたった3年間で300%近く増加したと保健当局は報告しました。
米国疾病管理予防センター(CDC)によれば、この驚くべき増加は効果的なワクチンがあるのにもかかわらず発生しており、
その大部分は薬物乱用者とホームレスの間で見られるとのことです。
A型肝炎ウイルスは糞便中にとどまり、手を介して広がる可能性があり、ウイルスに汚染された人の手が誰かの口に触れた場合に感染が起こります。
CDCのウイルス性肝炎部門の疫学者である主任研究員のモニーク・フォスター博士は、
「過去10年間において、A型肝炎の大規模な発生はまれであり、大部分は汚染された市販食品に起因していました。」
と述べました。
2016年には汚染された食べ物によるA型肝炎の流行は2回確認されましたが、発生の主な原因は麻薬常用者やホームレスの人たちの生活環境でした。
フォスター博士によると、2016年から2018年までの何千もの米国においての症例の大多数は、人から人への感染によるものでした。
「2016年にA型肝炎の流行が最初に確認されて以来、1万5千人以上の症例、8,500人の入院、140人の死亡が報告されています。」
「A型肝炎に感染すると体は非常に衰弱しますが、それは通常約6ヶ月で自然に消え、その後免疫ができます。」
とニューヨーク市にあるニューヨーク大学ランゴンメディカルセンターのマーク・ジーゲル博士は説明しました。
A型肝炎は肝臓にダメージを与えると彼は述べました。
重篤な肝疾患を発症する可能性が最も高いのは、癌のような他の疾患のある人、または免疫システムが正常に機能していない人です。
この潜在的に致命的な感染症に対する最も効果的な防御は予防接種であり、これもまた発生を防ぐための最善の方法であるとフォスター博士は述べました。
「A型肝炎ワクチンの普及と子供への予防接種が勧告されて以来、A型肝炎感染の全体的な割合はアメリカでは、劇的に減少しました。
しかし、小児期に感染していない感受性の高い、ワクチンを未接種である成人の大多数は、感染に対して脆弱なままです。」
とフォスター博士は言います。
こういった成人には、薬物使用者、ホームレスの人々、そして同性愛者やバイセクシュアルの男性が含まれます。
「予防接種は、これらの集団発生を今すぐ阻止し、将来的に同様の集団発生を予防するための最も強力な手段です。」
とフォスター博士は述べています。
この目的を達成するために、CDCは最もリスクの高い人々に予防接種を受けることを推奨しています。
「影響を受けるであろう人々は、過度性があったり、経済的に不安定であることで、医療機関での受診が制限されることがあり、
それが、国がこの感染症の集団発生の管理をより困難にしています。」
とフォスター博士は述べました。
しかしシーゲル博士は、流行を封じ込め将来の流行を防ぐ唯一の方法は、それをもたらす社会問題を解決することであると考えています。
「これは本当にA型肝炎の問題だけではないので、全員にワクチンを与えることによって解決できるわけではありません。」
と彼は言います。
「私たちは、それが公衆衛生の問題であり、ウイルスが繁殖する場所を一掃することが課題であることを認識しなければなりません。」
衛生状態を改善することによってのみ、最も脆弱な人々の間での集団発生を防ぐことができるとシーゲル博士は述べました。
「それは一般の人々の意識の問題であるというよりも、衛生、公衆の安全、そして、文化的問題が課題となります。」
この報告書は5月10日にCDCの罹患率と死亡率の週報で発表されました。
【以下のウェブサイトより引用】