米国FDA認可申請を優先審査 : 転移性ホルモン感受性前立腺癌の治療薬
イクスタンジ(XTANDI)の追加新薬申請(sNDA)では、転移が見られるがホルモン療法に反応しない前立腺がんの患者に対しての追加が検討されています。
(東京・ニューヨークBBUSINESSWIREビジネスワイヤ)–アステラス製薬株式会社(東証4503、社長兼CEO:安川賢治氏、以下「アステラス」)、およびファイザー株式会社(NYSE:PFE)は本日、米国食品薬物管理局(FDA)が、転移性ホルモン感受性前立腺癌(mHSPC)の男性の治療の適応を追加するために、XTANDI®(イクスタンジ、一般名エンザルタミド)の補足新薬申請(sNDA)の審査の申請を受理したと発表しました。
また、この申請が承認された場合でのこの適用は、標準的適用と比較して深刻な状態の治療や、診断、または予防の安全性または有効性を大幅に改善する可能性があります。
イクスタンジは現在、米国では去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)患者の治療に適応されています。
この提出は、2月の2019泌尿生殖器がんシンポジウム(ASCO GU)で発表され、2019年7月にThe Journal of Clinical Oncologyで発表された第3相ARCHES試験の結果に基づいています。
この研究では、mHSPCの男性におけるイクスタンジとアンドロゲン除去療法(ADT)の併用とADT とプラセボの併用での有効性と安全性を評価しました。
X線無増悪生存率(rPFS)の主要エンドポイントは、この研究で満たされました。
さらに、この申請はアステラス製薬が支援する、オーストラリアおよびニュージーランドの泌尿生殖器および前立腺がん試験グループ(ANZUP)が主導し、シドニー大学が後援する第3相研究であるENZAMET試験からのデータを元に提出されています。
ENZAMET試験では、mHSPCの男性を対象に、イクスタンジとADT、そして、ADTと標準の非ステロイド系抗アンドロゲン療法(ビカルタミド、ニルタミド、またはフルタミド)を評価ました。
結果は、6月に開催された2019年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会の全体会議で発表され、同時にThe New England Journal of Medicineに掲載されました。
全生存期間(OS)の主要エンドポイントは、ENZAMET試験で満たされました。
ARCHES試験とENZAMET試験での安全分析は、CRPCでの以前の臨床試験におけるエンザルタミドの安全性プロファイルと一致しているようです。
ファイザー・グローバルの腫瘍学担当、製品開発責任者のクリス・ボショフ医学博士は次のように述べています。
「転移性ホルモン感受性前立腺がんを患う男性の治療オプションの追加の必要性を重視した優先審査の指定をうれしく思います。」
「この形式の前立腺癌を患う男性を対象にイクスタンジを調査する2つの第3相試験を含む、強力なデータパッケージによって申請内容が支えられています。」
「mHSPCの男性を対象としたARCHESおよびENZAMET試験の補足データにより、前立腺がんの満たされていないニーズへ対処するためのイクスタンジの可能性を完全に理解するためのもう1つのステップが得られました。」
アステラス製薬のアンドリュー・クリヴォシク氏は述べています。
「イクスタンジは去勢抵抗性前立腺がんに対しての現在の標準治療薬であり、FDAと協力して、前立腺がんの長期治療の早い段階で患者がイクスタンジを利用できるようになることを楽しみにしています。」
ARCHESおよびENZAMET試験からのデータは、mHSPCを含む男性を含むイクスタンジの適応を潜在的にサポートするために、欧州医薬品庁(EMA)および日本の医薬品医療機器局(PMDA)にも提出されています。
FDAは、処方薬使用料法(PDUFA)の日付、または施行目標の日を2019年第4四半期に設定しました。
転移性ホルモン感受性前立腺がんについて
前立腺がんの男性では、がん細胞が前立腺の外側から骨、リンパ節、膀胱、直腸などの体の他の部位に拡がった場合にこの病気の転移とみなされます。
疾患が依然としてテストステロンレベルを下げる医学的または外科的治療に反応する場合、その男性はホルモン(または去勢)に敏感と考えられています。
2019年の米国における転移性ホルモン感受性前立腺癌(mHSPC)の有病率は、40,000人をわずかに超えていると推定されています。
【以下のウェブサイトより引用】
PharmaLive