米国のプライマリケアはアルツハイマー病の急増に対する準備ができていない
2020年3月11日(HealthDay News)- 初期治療を行う多くの米国の医師は、増加しているアルツハイマー病を患うアメリカ人のケアが行き届かないことを心配していることを新しいレポートが示唆しています。
アルツハイマー病協会による調査では、プライマリケア医の半数は、米国の医療専門機関がアルツハイマー病の急増に備えての準備ができていないと言います。
アルツハイマー病協会によると、現在、65歳以上のアメリカ人の500万人以上がこの病気にかかっていると推定されています。
その数字は2050年までにほぼ3倍になると予想されています。
シラキュースにあるニューヨーク州立大学医学部の老年医学部長であるシャロン・ブラングマン博士によると、将来的な懸念を示唆している医師には正当な理由があります。
実際、認知症患者のケアを行い、家族に対しての更なる支援のためにリソースを導くことができる医師が不足するという事態が近い将来起こりえると彼女は述べました。
「ただ薬を処方するだけでは十分ではありません。」
とブラングマン博士は言います。
「認知症患者の日々のケアは本当に困難です。そして、多くの医師はそれに満足していません。」
米国老年医学会 (American Geriatrics Society, AGS) の前会長であるブラングマン博士は、この新しいレポートには関与していませんでした。
この調査結果は、3月11日にリリースされた、アルツハイマー病協会の最新のアルツハイマー病の事実と数値データに関するレポートの一部です。
年次刊行物は、米国における疾患のこの状態についての概要を示しています。
チーフプログラムオフィサーのジョアン・パイク氏によると、学会は今回、医師の視点を得るための調査を含みました。
「プライマリケア医は、認知症ではなく、あらゆる病状を治療するための最前線にいます。」とパイク氏は述べました。
しかし、脳疾患のあるアメリカ人の数が今後30年間で1500万人を超えると予想され、認知症のケアにおける彼らの役割はますます重要になると彼女は付け加えました。
調査に基づくと、プライマリケア医はすでにそのことにプレッシャーを感じています。
「その大多数は、少なくとも数日ごとに認知症について質問を受けていると言います」
とパイク氏は述べました。
「そして、患者は、彼らが、答えてくれることを期待しています。」
しかし、医師の27%は、それを「決して」または「たまに」しかできないと答えています。
調査によると、医師は最新の状態を保ち、患者に必要な情報を提供したいと考えています。
しかし、教育とトレーニングの機会を得ることが難しい場合があります。
調査対象となった医師では認知症ケアに関する継続的に学習していると回答したのは半数未満ですが、それは多くの場合、選択肢が少なすぎたり、時間がなという理由です。
若い医師は、高齢の医師よりも、医学部の学生であった期間と研修期間に認知症ケアの教育と訓練を受けた可能性が高いのですが、それでも、そういった教育を受けた医師の3分の2は、「少なすぎる」と述べています。
プライマリケア医は一般的には、認知症患者を、神経科医や老年医などの専門医に紹介していました。
しかし、レポートでは、米国には需要を管理するには専門家が少なすぎることが示されています。
たとえば、現在、全国には5,200人を超える老人病専門医がいます。
65歳以上のアメリカ人の30%のニーズを満たすというためだけに、その数は2050年までに46,000人を超えなければなりません。
パイク氏とブラングマン氏によると、プライマリケア医は、看護師、補佐官、ソーシャルワーカーなどの他の医療提供者と同様に、認知症ケアにおいてますます重要な役割を果たしています。
「医療学校のカリキュラムは認知症、そして一般的な高齢化についての学習にもっと時間を費やす必要があります。」
とブラングマン氏は述べました。
すでに実践している医師については、教育をより受けやすくする必要があるとパイク氏は言います。
アルツハイマー病協会は、医師が認知症の専門家から遠隔で学ぶことを可能にする「テレメンタリング」プログラムなど、革新的な方法を検討しています。
しかし、認知症のケアは技術的な知識を超えます。
介護者である患者の家族は最終的に最前線でケアに当たるため、彼らが日々の課題を管理することを手伝う必要があるとブラングマン氏は指摘します。
彼女は、ソーシャルワーカーがその重要な部分だと述べました。
しかし、そのようなサポートはすべての医療システムで利用できるわけではありません。
それでも、他の地元のリソースが存在し、医師は少なくとも家族を彼らに導くことができるはずだとブラングマン氏は述べました。
それらには、介護者支援グループ、加齢に関する地域の公共機関、またはアルツハイマー協会または米国老年医学会の地方支部などがあります。
パイク氏によると、アルツハイマー病協会には家族介護者向けの24時間のヘルプラインやオンラインリソースもあります。
「認知症の人には絶えず監督を行う必要があります。」
とブランマン氏は述べました。
そして、彼らの主な介護者(通常は年配の配偶者)は、管理しなければならない自分自身の健康問題や他の様々な問題を抱えているかもしれません。
「彼らが助けを求めにくくなってはいけません。」
とブラングマン氏は述べました。
【以下のリンクより引用】
U.S. Primary Care Docs Unprepared for Surge in Alzheimer's Cases
Health Day