米国クリーブランド医療センターが子宮筋腫の新しい治療法を研究
子宮筋腫は、異常に長く重い月経が続く、痛みがあり肥大した子宮、膀胱と直腸への圧迫、および性交時の不快な症状などを引き起こす可能性が あります。
もし症状に子宮の肥大や強い圧力を含まれるのであれば、婦人科医では手術が推奨されます。
「外科的アプローチは、子宮摘出のための腹腔鏡下術という、ロボットによるまたは開放的な手術となるでしょう。」と、米国で最も安全な病院として 知られるUHクリーブランドメディカルセンター(University Hospitals Cleveland Medical Center)の産婦人科部門の学科長であるジェームズH.リウ博士は説明しました。
臨床研究のリーダーとして、UHクリーブランドメディカルセンターは子宮筋腫の新しい治療法を探求する最先端の医療機関です。
次の治療薬の選択肢が効果的であると証明されれば、子宮筋腫を縮小し、痛みや出血などの症状を取り除くための、より多くの方法を提供し、 現在の標準治療法を変えることができます。
エラゴリックスとウリプリスタルの薬剤研究
UHクリーブランドメディカルセンターの産科婦人科の臨床研究者は、子宮筋腫の治療に焦点を当てたいくつかの薬物試験を主導しました。
アッヴィ(AbbVie)社とニューロクリンバイオサイエンス(Neurocrine Biosciences)社によって開発された経口投与薬であるエラゴリックス(Elagolix)は、 以前の第2相試験で子宮筋腫治療として有望であることを示しました。
UHクリーブランドメディカルセンターは現在進行中の第3相試験のための試験施設として研究に参加しています。
この薬は下垂体を標的にすることでエストロゲン産生を遮断する『GnRH拮抗薬』です。エストロゲンは子宮筋腫の成長を刺激するため、 エストロゲンレベルを低下させるため、この治療薬は子宮筋腫を大幅に縮小させる可能性があります。
「この薬は子宮筋腫の移行医療法として使用される可能性があります。」
とリウ博士は述べました。
「この治療は、子宮筋腫を縮小させるための待期的管理や筋腫除去手術など、子宮筋腫を縮小させ、女性がより保守的なアプローチをとるための 準備を整えるのに役立つ可能性があります。」
UHクリーブランドメディカルセンターはまた、子宮筋腫の治療薬、酢酸ウリプリスタルの2つ目の米国第3相試験である『VENUS II試験』にも参加して います。
ウリプリスタルは、米国では経口避妊薬として、より高用量で摂取できます。また子宮筋腫に関連した子宮出血の治療薬としてカナダおよび ヨーロッパでの使用が既に承認されています。
この薬剤は体内のプロゲステロンのレベルを制御することによって作用します。
「非常に多くの人々がウリプリスタルを使用し肯定的な反応が示されました。」
とリウ博士は述べました。
「この薬がより保守的な手術に代わる可能性があることを示唆するデータが出始めています。」
UHクリーブランドメディカルセンターの産科婦人科医であるリウ博士と共同研究を行うカレン・アシュビー博士は、どちらもVENUS II試験の研究者です。
「私たちは、ウリプリスタルが子宮筋腫の女性のための治療選択肢であることを望んでいます。」とアシュビー博士は述べました。
「出血を抑制し、症状を軽減し、生活の質を向上させるための薬があれば 、それは探索する価値があります。」
誘導高密度集束超音波(HIFU)
リウ博士はまた、3つ目の新しい治療法として誘導高密度集束超音波(HIFU)を用いた筋腫の標的化へ期待を寄せています。
これは子宮動脈塞栓術と比較してより洗練されたアプローチとなります。
「HIFUは個々の子宮筋腫の血液供給を欠乏状態にさせます。」
「この技術は子宮全体の血液を奪う塞栓術ではなく、子宮筋腫のみを対象としています。」
子宮全体から血液を奪うと子宮筋腫は死滅しますが、同時に子宮の一部も死んでしまいます。
まだ始まる前ですが、UHはHIFUの研究にも参加する予定です。
ウリプリスタルは米国での使用が承認されている薬剤に最も近い治療薬であるとリウ博士は述べましたが、また他の2つの子宮筋腫治療法の データは、症状によって生活に支障が出ている女性に有望であることが示されています。
「これらの選択肢は現在利用可能な治療法からの、ゲームチェンジャーとなるでしょう。」
【以下のウェブサイトより引用】
UH Cleveland Medical Center explores novel treatments for uterine fibroids