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糖尿病リスクのある子どもの検査がより容易に受けられるように

血液検査のために断食しなければならず、朝食を抜いたりコーヒーを飲まずにいると、1日を順調にスタートできません。
しかし、これは一部の糖尿病検査では実在する問題です。
これらの検査時は、空腹である必要があります。
成人でも嫌だと感じるでしょうが、子供に検査を受けるためには断食をする必要がある理由を説明することは、さらに困難である可能性があります。

ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生学大学院が新たに発表した研究では、時間とともに変化する血糖値を調べる、別の種類の検査は、断食無しで行うことができ、大人がこれまで受けてきた検査よりも正確で効果が高い可能性があることが示されました。
特に2018年に子供の前糖尿病および糖尿病を検査する血糖値検査ガイドラインが変更され、医師はこれまでの3倍検査を行うことが推奨されるようになったため、この発見は重要です。


<ADAがpowerhouseを検査>

アメリカ糖尿病協会はA1c検査を「powerhouse」と呼びますが、これは一体何なのでしょう?
糖尿病は、体が血液中のグルコース(糖)を管理することが困難になることで発症します。
通常、糖尿病検査では、患者の血糖値がスナップショットで、検査時点での高低が示されます。
しかし、推奨される検査であるA1C検査は、特定の日の血糖値を測るだけではなく、過去2~3カ月の血糖値を測定します。
この検査の大きな利点は、断食が必要ないことです。

検査前のの8~12時間の飲食を禁じる断食は、子供が容易にできるとはかぎりません。
「子供に断食をさせ血糖値検査を受けさせるのは困難です」と、アシャニ・ウッド医師はメディカルデイリーに対して述べています。
「子供はしばらく物を食べてはいけない理由を理解できないことがあります。しかし、A1C検査は空腹時血糖とは異なるため、子供が物を食べても問題なく、計測値に影響することもありません。」
ウッド医師は、ボルチモアにあるマーシー・ファミリーケア医師会の小児科医です。


<より多くの子供が検査されるように>

2018年に、糖尿病および前糖尿病検査を受けるべき基準が拡大されました。
ウッズ医師は、「糖尿病や前糖尿病の症状に気がつかない可能性がある」と説明しています。
古い基準では、10歳以上の子供を検査し、その後、リスクの高い子供だけを検査することが提案されていました。

高リスクとは過体重である他、少なくとも2つの危険因子(糖尿病の家族歴がある、白人以外の人種である、インスリン抵抗性がみられる、妊娠糖尿病を患った母親がいるなど)を有することを指します。
以前の基準では、2016年に360万人の子供が検査対象となりました。
新しいガイドラインでは、少なくとも1つのリスク要因を有する、すべての過体重の子供を検査する必要があります。
新たな基準を用い、研究者は同じ集団の子供を調べたところ、1060万の子供が検査対象となることがわかりました。

ウッズ博士は新しいガイドラインの制定を喜んでいます。
同氏は、2型糖尿病はかつて主に大人が罹患すると考えられていたものの、これは事実ではないと説明しています。
「過去30年の間に若者の肥満が蔓延したことで、私たち医療従事者は糖尿病を発症するリスクが高い子供を検出することに対してより警戒し、積極的な姿勢で取り組む必用があると理解しています。」


<前糖尿病の発見>

ウッズ医師は、前糖尿病では血糖値が通常よりも高くなるものの、まだ糖尿病と診断することはできないと説明しています。
「見た目からは判断できる症状がない可能性もあります。」
だからといって、体の内側で何も起きていないという訳ではありません。

「体の内部、具体的には心臓血管系(心臓、動脈、静脈)と腎臓系(腎臓)が影響を受けている可能性が高い」とウッズ医師は述べています。
この影響は深刻です。
このような損傷が未確認のまま長く留まると、脳卒中や脳出血、切断術、腎疾患のリスクを抱える患者が増えることになります。
迅速かつ正確な糖尿病検査と検出が必要です。
糖尿病は症状が出てから数年間は診断されないことが一般的です。


<リスクがある?>

断食検査とA1Cはどちらも正確ですが、わずかに異なる検査であっても、この研究ではA1Cがリスクの予測において明らかに有利であることがわかりました。
A1cレベルが高い患者は、心血管代謝の危険因子に対して陽性である可能性が高くなりました。
心血管代謝リスクは糖尿病、心臓病、脳卒中のリスクであり、肥満、特に腰周りの脂肪、高血圧、高レベルの「悪玉」コレステロールによって予測できます。
研究者らは、検査でA1c高血糖が陽性であることが判明した人は、FPG(空腹時血糖)で検査した人よりも関連リスクがある可能性が高いことを発見しました。

ライフスタイルの変化でリスクを変更できるケースがあるため、このような危険因子を有する患者を特定することは重要です。
子供に検査を受けさせることで、子供の生涯の健康を改善できる可能性があります。


<まとめ>

著者はA1cにいくつかの利点があることを発見しましたが、他の検査も依然として良い測定方法です。
古いガイドラインでは、検査を受ける必要がある可能性が高い多くの患者が除外されていましたが、それでも糖尿病の子供は診断されていました。
しかし、A1cは、糖尿病発症前に、リスクのある子供を具体的に特定することができます。
子供の糖尿病および前糖尿病は、早期に発見し治療することが重要であり、新しい基準を用いることで、より多くの子供が検査対象となる可能性があります。

自分の子供について懸念がある場合は、かかりつけの医者や小児科医に、検査の選択肢について確認してみましょう。


出典 2020年8月19日更新 Medical Daily『Kids at Risk for Diabetes Now Can Be Tested More Easily』(2020年8月24日に利用)
https://www.medicaldaily.com/diabetes-testing-detects-prediabetes-children-455484