糖尿病患者10人中6人程度は眼科検査を行わず

糖尿病患者の約3分の2が目の病気や視力低下の危険性が増すにもかかわらず、毎年行われる検診を受けていないといいます。

アメリカでは、約10人に1人が糖尿病だといわれています。
研究者らは毎年またはそれ以上の期間にわたり眼の拡張検査を受けることで、糖尿病に関連する視力喪失の95％が予防される可能性があると述べています。

研究の主任著者であるアン・マーチソン博士は、米国の眼科学院（AAO）のニュースリリースで、「視力喪失というのは、特に予防が可能なので発生してしまうのは悲劇です。」と述べました。
 「そのため、糖尿病患者の意識を高め、定期的な眼科検査の重要性を理解したいと思っているのです。」とマーチソン博士は続けています。
彼女はフィラデルフィアにあるヴィルス・アイ・ホスピタルの眼救急部の部長です。

この研究には、40歳以上の約2000人の1型または2型糖尿病患者の情報が含まれていました。
そして研究者らは、患者の58％が定期的なフォローアップのための眼科検査を受けていないことを発見しました。
喫煙者である場合は、特に定期的な検診を受けている人は更に20％低くなりました。

研究報告書によれば、糖尿病の重症度が低く、眼には問題がない人が、最も、眼科検診を受ける可能性が低いといいます。そして、糖尿病性網膜症の患者であれば、定期的な検診を受ける可能性が30％高くなったと研究者らは述べました。
糖尿病性網膜症は、網膜内の血管に変化をもたらし、それらが出血したり、涙を溢れさせたり、視力を歪ませたりする可能性があります。
これは、糖尿病患者の視力喪失の最も一般的な原因であり、働く年齢の成人の失明の主な原因となっています。
「糖尿病患者は、これらの検査を定期的に受け、問題が発生するまで待ってはいけないということを理解する必要があります。」と、AAOの臨床広報担当者であるラフール ・クラナ博士は述べています。
「眼科医が眼を検診すると、患者が気付いていない病気の徴候が明らかになります。」

11月は糖尿病性の目病の認識月間です。
今回の調査結果は、シカゴの米国眼科学会の年次総会で最近発表されました。
会議で発表された知見は、一般に査読された雑誌に掲載されるまで予備報告となります。

（記事元）http://medicalxpress.com/news/2016-11-ten-diabetics-eye-exams.html