糖尿病治療薬メトホルミンでスリムなボディを保てるのか？

2019年4月22日（HealthDay News）

- 新しい研究では、2型糖尿病の第一選択薬であるメトホルミンが、糖尿病前症の人々が長期的な体重減少を維持するのを

助けるかもしれないことが示唆されています。

メトホルミンを服用中に体重を減らすことができた人々は、6年〜15年間、体重の約6％の減少を維持しました。

研究によれば、生活習慣の変化、つまり健康的な食事と定期的な運動によって体重が減少した人たちは、

元の体重の4％を少しも下回ってはいません。メトホルミンはそもそも体重を落とすために特に有用であるようには思われていません。

実際、研究の初期段階では、メトホルミンを使用するよりも、人々がライフスタイルの変化（健康的な食事と運動）によって

体重の5％以上を落とせる可能性がはるかに高いことがわかりました。

「ライフスタイルの変化は早い段階で減量を誘導するのに優れていましたが、メトホルミンは長期の体重維持には優れていました。」

と上級研究著者であるキショア・ガデ博士は述べています。

彼は、ロサンゼルスのバトンルージュにあるペニントンバイオメディカルリサーチセンターで心臓病予防科の教授を務めています。

メトホルミンにより誰もがスリムになることを確信しているわけではありません。

調査結果を検討した後、ニューヨークのモンテフィオーレメディカルセンターにある臨床糖尿病センターのディレクターである、

ジョエル・ゾンゼイン博士は、次のように述べました。

「非常によく研究されていましたが、メトホルミンがすべての人に有効であることは示していません。

メトホルモンの服用で減量した人の体重の減少がほんの少しだけだったということです。」

彼は、メトホルミンは、吐き気や下痢などの消化器系の問題を引き起こす可能性があり、多くの人々には容認されていないと付け加えました。

体重を減らし、その減少を維持するための効果的な介入が明らかに必要です。

米国疾病管理予防センターによると、アメリカの人口の4分の3近くが過体重または肥満であり、それは2型糖尿病の主な危険因子です。

体重の5％を超えるかなりの量の体重を落とすと、前糖尿病の場合は2型糖尿病に進行するのを防ぐのに役立ち、

また、2型糖尿病の進行を遅らせることにも役立ちます。

最新の研究では、3種類の糖尿病予防臨床試験を継続したもので、糖尿病前症の3つの異なるグループの人々を比較して、

どのタイプの介入が2型糖尿病の発症予防に役立つかを調べました。

最初のグループにはメトホルミンが与えられました。そして別のグループへは集中的なライフスタイルの変化が指導されました。

そして、3番目のグループにはプラセボが与えられました。

ガデ博士によると、この研究では、ライフスタイルの変化を行ったグループが最大の初期体重の減少をもたらし、

メトホルミンが与えられたグループがそれに続くことがわかりました。

大元の研究グループでの3,000人以上の人々のうち、1,000人ちょっとの人が体重の5％以上を落とすことができました。

研究者たちは、誰が彼らの体重減少を維持しているのかを確かめるために15年間このグループを追跡しました。

研究によると、メトホルミンを服用している人は6年～15年間に最も大きい体重の減少が示されていました。

この研究ではまた、最初の1年で体重を落とした人は年齢が上であるほど、

体重の減少は一貫して予測できたことが分かったと研究著者らは述べました。

ガデ博士は、なぜメトホルミン摂取グループが減量の維持に優れているのかは明確ではないと述べました。

「メトホルミンは少し食べ物の摂取量を減らすことができますが、それは劇的な効果ではありません。

そして、私たちが知る限り、エネルギー消費を大きく変えることはありません。」

彼は他の最近の研究がメトホルミンが体のマイクロバイオーム（腸に生息する健康な細菌）

を変える可能性があることを示唆していると述べました。

メトホルミンは筋肉機能に何らかの影響を与える可能性があるようです。

しかしそれを確実に知るにはもっと研究が必要であるようです。

この研究は糖尿病前症の人々だけを対象としていたため、この薬がこの病気の徴候がない人々にどのように影響を与えるかは、

この研究からは明らかにされていません。

この調査結果は4月22日に『Annals of Internal Medicine』に発表されました。

【以下のwebサイトより引用】