細胞マッピングによる喘息についての新しい洞察
喘息と共に生きる何百万もの人々の生活を改善するため、研究者らは肺と気道細胞の最初となるマッピングを完成しました。
そしてそれは一般的な肺の疾患での新しい治療法につながるかもしれません。
このマッピングは、喘息のある人といない人の気道の違い、および肺細胞同士がどのようにして互いに交信するかについて明らかにしています。
報告によれば、細胞とそのシグナルを理解することは、喘息を治療するための新しい薬物標的を見つける上で役立つ可能性があります。
研究者らはまた、喘息患者の、粘液を産生する新しい細胞の状態を発見しました。
研究では、喘息のない17人の鼻領域と肺の3つの領域からの36,000個以上の細胞を分析しました。
これは、どの遺伝子が各細胞において活性であるかを明らかにし、そして特定の細胞型を同定しました。
研究者らは、その後6人の喘息患者からの細胞を分析しました。
その分析では、喘息のない人々と比較して、細胞とそれらがどのように相互通信をするのかについて明確な違いが明らかになりました。
イギリスのヒンクストンにあるウェルカムサンガー研究所の共同研究者であるフェリペ・ビエラ・ブラガ氏は、次のように述べています。
「我々は、呼吸気道についての詳細な解剖学的地図を作成し、初めて正常な人と喘息のある人の両方での『ドラフトヒト肺細胞アトラス』を作成しました。」
「これにより、喘息の肺の細胞型の定義が改善され、喘息患者の粘液を生成する全く新しい細胞の状態を発見することができました。」
とブラガ氏は研究所のニュースリリースで説明しました。
研究の共同執筆者であるオランダのフローニンゲン大学医療センターのマーティン・ナーヴィン氏は、次のように付け加えました。
「通常は、あらゆる種類の細胞が互いに連絡を取り合って気道をうまく機能させています。」
「しかし、喘息患者では、これらの相互作用のほとんどすべてが失われています。」
「喘息においては相互作用を行うネットワークではなく、炎症細胞が気道内のコミュニケーションを完全に支配しているようです。」
喘息患者の肺の中の細胞の種類、そしてそれらの細胞がどのように通信を行うかをよりよく理解することは、細胞が炎症性シグナルに反応するのを防ぐための
新しい薬の開発につながる可能性があります。
研究者らはまた、肺の異なる領域にある細胞はそれぞれ非常に異なる活性を持つことを発見しました。
それはまた新しい喘息薬を開発することに役立つ可能性があります。
2015年に世界中で3億5000万人以上が罹患しているとされる喘息は、肺に出入りする空気を運ぶチューブの膨張によって引き起こされ、
十分な酸素を得ることが困難になる疾患です。
この研究は6月17日にNature
Medicine誌に掲載されました。
【以下のウェブサイトより引用】