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JapanRx / 経口JAK阻害剤(関節リウマチ治療薬)『ゼルヤンツ』はクローン病の治療に有望視

経口JAK阻害剤(関節リウマチ治療薬)『ゼルヤンツ』はクローン病の治療に有望視

クローン病・大腸炎会議で発表された第2相試験の事後分析によると、ゼルヤンツは、ベースライン時に疾患活動の客観的な証拠を示した中等度から重度のクローン病患者のサブグループにおいて寛解を誘導しました。  

ゼルヤンツ(一般名:トファシチニブ、ファイザー製)は、潰瘍性大腸炎対クローン病で、以前より高い応答率が示されており、これらの結果はクローン病におけるJAK阻害剤の使用に関するさらなる調査を支持するものと研究者らは結論付けました。  
「トファシチニブは、炎症性腸疾患のために研究されている経口小分子JAK阻害剤です。」と、マウント・シナイ医科大学の胃腸病学の教授であるブルース・エス・サンズ博士は語りました。
この薬剤は、潰瘍性大腸炎において3回の相試験において有効であることが示されていますが、非常に小さな治療効果ではありますが、クローン病患者で効果が観察されています。  

これまでに報告されたこのフェーズ2b多施設ランダム化比較試験において、患者は毎日2回、5mgまたは10mgのトファシチニブまたはプラセボを8週間摂取しましたが、中程度から重度のクローン病患者では治療効果が小さいものの、登録基準は内視鏡的スコアリングのないクローン病活動指標(CDAI)スコアに基づいていました。

「患者はこの研究に登録されるための条件として、潰瘍の証拠(既往歴)を持っていなければなりませんでした。」とサンズ博士は述べました。
「我々は、これらの研究での問題の一部は、ベースライン時の炎症の客観的な基準が欠如していると仮定したので、病気の活発度をより客観的なベースライン基準とし、有効性評価項目の事後分析を実施しました。  
サンズ博士らは、C反応性タンパク質(CRP)および糞便カルプロテクチンレベルを含む炎症の内視鏡的マーカー、およびバイオマーカーを証拠として用いて、患者のサブグループに関するデータを再分析しました。
彼らはまた、複合寛解(CDAIが150未満で、ベースラインCRPまたは糞便カルプロテクチンが50%以上の減少)および、複合反応(ベースラインCDAIが100以上、ベースラインCRPまたは糞便カルプロテクチンが50 % 以上減少)を調査しました。
 
彼らは、トファシチニブ対プラセボにおいて、ベースライン時に単純内視鏡スコア(SES-CD)が11以上の患者では、臨床的寛解(トファシチニブ10mgで48.9%対プラセボで23.4%)、複合寛解(トファシチニブ10mgで25.5%、5mgで26%、対プラセボで6.4%)、そして、複合応答(トファシチニブ10mgで36.2%、5mgで46%に対し、プラセボでは17%、全てP <0.05)といった調査結果を得ました。
彼らはまた、ベースライン時に、5mg / Lより高いCRPレベルを有する患者 または250mg/kgより多い糞便カルプロテクチンレベルのある患者で同様の結果を確認しました。

サンズ博士は、また、ベースライン時のSES-CDスコアが11未満の患者では、トファシチニブ対プラセボとの複合寛解率および複合反応率が有意に高かった(5mg群の複合寛解を除くすべてについてP <0.05)ことも確認しました 。  
「有効性についての結果をCDAIよりも活発な疾患に対するいくつかのより客観的なベースライン基準を用いて分析した場合、プラセボと比較して、トファシチニブを投与された患者の方が臨床的寛解の割合が大きくなりました。」 とサンズ博士は結論付けました。  
「プラセボと比較して、複合的な寛解、複合反応、およびPRO2-75寛解を達成した患者の比率がより高くなりましたが、これらはすべて事後分析であることに注意する必要があります。そうは言っても、この結果はクローン病におけるJAK阻害のさらなる調査を支持するものと思われます。」 

【以下のウェブサイトより引用】
https://www.healio.com/gastroenterology/inflammatory-bowel-disease/news/online/%7B58e2e978-0aa8-4b5a...