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JapanRx / 老化と長寿におけるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の効果

老化と長寿におけるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の効果

ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の補給には、加齢に伴う機能低下と一般的な加齢関連疾患に対する予防および治療効果があります。
科学によって私たちの身体機能が加齢によって進行性の低下を引き起こす事実に関する理解は深まりましたが、慢性疾患が老化プロセスに不可欠となる理由を示す明確なメカニズムは未だにわかっていません。
私たちは長生きしたいと願いますが、生活の質は加齢関連疾患の影響を受けてしまいます。


<若々しい細胞のエネルギーレベルを維持する>
こうした加齢性障害の多くは細胞レベルで共通のルーツを持ち、これは細胞エネルギーの生産の不足にまでさかのぼることができます。
NMNは、NAD+の生成に不可欠な要素であるため、細胞エネルギーの生成おいて重要な影響があります。
NAD+値は、体の原動力であるミトコンドリアの活動を、ピーク時の若々しい値に維持する上で非常に重要となります。

NMNはNAD+の中間体として重要となるため、NMNを積極的に補給すると、体内のNAD+値が上昇し、加齢関連の疾患や症状の改善につながります。
年をとるにつれて、NAD+値は低下し続け、エネルギー生産効率は低下し、老化プロセスが勢いを増すことで、多くの「典型的な」加齢疾患の発症を引き起こしています。

NAD+の生産において、NMNほど重要な栄養素はありません。
実際NMNは、ヒトだけでなくすべての哺乳類において、NAD+を生成する律速生合成酵素であると考えられています。
複数の研究では、NMNを補給することで膵臓、肝臓、筋肉、腎臓、目、血管などの臓器におけるNAD +生合成を促進することが実証されています。


<加齢による代謝低下に対抗する>
NMN補給による効果は、NAD+の産生を増加させるだけに留まりません。
げっ歯類を対象に行われた研究では、NMNが高糖食により糖尿病を発症した高齢マウスの耐糖能を改善することが示されました。
この調査結果は、貧しい食生活のために糖尿病を発症する高齢者にも同様の効果がある可能性を示唆しています。
またさらなる研究では、NMN補給により、加齢とともに低下する糖代謝を改善する効果があることが実証されました。
高脂肪食によってインスリン抵抗性が起こった場合、NMNはインスリンの産生を増加させます。
これは、NAD+を適切な生産量に回復させ、フリーラジカル損傷によって引き起こされる炎症とストレスを軽減することで成し遂げられ、加齢関連の慢性炎症の影響に対抗します。
またこれらの研究では、NMNが脂肪組織の炎症を軽減し、いくつかの臓器におけるインスリン感受性を改善することも示されています。
最も重要なのは、高齢期により良好な効果が見られるということです。


<若々しい循環を保つ>
循環システムは、酸素が豊富に含まれた血液を運び、熱と栄養素を交換し、体内にある全ての器官およびシステムから老廃物を除去します。
老化プロセスにより、血管密度を低下させシステムを危険にさらす慢性的な変化が起きる可能性があります。
こうした血流の低下は時間の経過とともに悪化し、慢性疾患や早老の発生につながります。

血流減少による直接的な影響の1つは、筋肉量の減少です。
筋肉量の進行性の低下が、身体能力への影響と運動性の低下を引き起こし、これは老年期における生活の質の低下に大きく寄与します。
NMNなどのNAD+前駆体は、損傷したDNAを細胞レベルで修復し、ミトコンドリアのエネルギー生産を最適化し、耐糖能を促進することにより、血管の生産と維持を増加させます。

サーチュイン脱アセチル化酵素(SIRT1)は、新規および既存の血管の生産と維持において重要な化合物です。
NMNなどのNAD+前駆体を使用することは、SIRT1活性を刺激する効果的な方法です。
げっ歯類を対象に行われた研究では、NMNを補給することで血管の保存に劇的な影響を与えることが示されています。
ある研究では、NMNは血管の数を回復し、老齢マウスの循環密度を増加させ、循環能力を若いマウスと同等のレベルまで効果的に回復させることが示されました。
驚くべきことに、NMN補給を受けたマウスは、筋持久力の60-80%の改善を示しました。


<老後も鋭い知性を維持する>
NMNによるNAD+産生促進に関して最も刺激的な発見の1つは、NMNの投与が脳内のNAD+産生の増加を引き起こすことが示されたことです。
最近の研究結果では、NMNが認知機能の維持と神経の保護に有益である可能性が示唆されています。
アルツハイマー病のモデルを対象に行われた研究では、NMNが記憶と認知に顕著かつ有益な効果をもたらすことが示されました。
NMNは、加齢に伴う認知能力の低下を防ぐだけでなく、脳卒中後のニューロン保存にも役立つことがわかっています。


<細胞寿命の延長>
NMNのアンチエイジング特性に関する研究は、老化が不可逆的なプロセスであるという概念がもはや絶対的ではないことを示しています。
ヒト幹細胞で行われた実験では、NMNが豊富な環境を提供することで、継続的な細胞複製の結果として起こる加齢関連の低下を遅らせ、これらの細胞の寿命を延長することが実証されました。
これらのアンチエイジング作用は、細胞のミトコンドリアにおけるエネルギー生産のために高いレベルのNAD+生産を維持するNMNの能力に関連しています。


<結論>
アンチエイジングの研究により、主要なNAD+中間体であるNMNサプリメントは、加齢に伴う代謝低下を緩和し、多数の加齢性疾患の進行を遅らせるのに効果的であることが示されています。
NMNは、細胞レベルでのエネルギー生産に有益な効果をもたらし、耐糖能を改善し、炎症を軽減し、循環系の維持に役立ち、DNAを修復し、認知機能の維持に有益な効果をもたらします。
NMNは、アルツハイマー病の他、高齢者に良く見られるその他神経変性障害に対する治療薬としての可能性も示しています。
またNMNを補給することで、持久力や機動性の維持に役立つ可能性があります。
体全体における多様なシステムの機能を維持することは、健康と長寿を促進し、年を重ねるにつれて生活の質を大幅に改善します。

出典: 2019年4月4日Pro Health Longevity『The Effects of Nicotinamide Mononucleotide (NMN) on Aging and Longevity』(2019年10月14日に利用)
https://www.prohealthlongevity.com/blogs/control-how-you-age/the-effects-of-nicotinamide-mononucleotide-on-aging-and-longevity