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職場でのパニック発作への対処方法

アメリカのクリーブランドにあるケース・ウェスタン・リザーブ大学心理科学部の准教授であり、SOAR研究所の所長であるAmy Przeworski氏は、仕事中のパニック発作は仕事関連の不安とは異なると言います。
仕事に関連した不安を感じることは一般的であり、これは勤務評価や仕事の締め切りといった特定の懸念事項によって引き起こされることがあります。
多くの人はいずれかの時点で、何かしらのの仕事関連の不安を経験します。

One Medicalに代わって調査機関イプソス(Ipsos)が実施したオンライン調査では、55%のアメリカ人が職場環境のいくつかの側面が不安やストレス、不眠を引き起こしていると回答したことがわかりました。

認定精神科医であり、米国に8拠点を有する外来診療施設であるアーメン・クリニックの創設者であるDaniel G. Amen医師は、仕事でパニック発作を起こすのは恐ろしいことですが、対処可能であると話します。

職場で起きたパニック発作への対処方法は次の通りです。
  • 呼吸に集中する
  • 職場を離れない
  • 専門家の支援を受けることを検討する
  • 考えを書き出す
  • 上司と話すことを検討する

1. 呼吸に集中する
Amen医師は、不安が起きると、呼吸が浅く、速く、不安定になると言い、次のように話しました。
「脳は身体で最も代謝が活発な臓器であるため、酸素が低下するとより多くの恐怖やパニックを引き起こすこととなります。」
「ゆっくり深呼吸をすることで、脳内の酸素が増え、自身の感情のコントロールを取り戻し始めます。」
深呼吸のテクニックを学ぶことで、パニック発作が起きた際に落ち着きを取り戻すのに役立ちます。
深呼吸を実践する1つの方法は、不安があると「締め付けられる」傾向がある体の部位である横隔膜から呼吸する方法を学ぶことであると、Amen医師は言います。
パニック発作を患うLigris氏は、4秒間息を吸い込み、7秒間息を止め、8秒間息を吐き出すこの呼吸法を推奨しています。
これは心拍数を下げ、身体をリラックスさせるのに役立つとLigris氏は話し、次のように続けています。
「この呼吸法を試すと、私にとっては毎回効果がありました。」
この呼吸法は、デスクにいる間でも実践することができます。
人によっては、トイレや個室に行き、呼吸をして落ち着くことで効果があることもあります。


2. 職場を離れない
Amen医師は、パニック発作が転倒による怪我のような深刻な身体状態を伴わない限り、職場を離れてはいけないと言います。
「恐れや不安に直接立ち向かわない限り、それは常にあなたを支配し、不安を増大させるでしょう。」と彼は話します。
パニック発作が起こるたびに職場を離れても自体は解決せず、長期的な解決策とはなりません。
以前起きたパニック発作では全てが上手くいったことを思い出し、身の危険は無いことを自分に言い聞かせることができるかもしれません。
例を挙げると、Przeworski氏の一部の患者は、不安がピークに達して不安がピークに達して通り過ぎるまで、不安を誘発する状況に留まります。
この方法は、落ち着いた感覚を取り戻すのに役立ちます。
「私たちは、これを繰り返し行います。」とPrzeworski氏は話します。
「恐怖に直面するたびに、不安が過ぎ去るまでの時間が短くなります。」


3. 専門家の支援を受けることを検討する
研究によると、脳の特定の部分や生体内作用は、恐怖と不安に関連しているといいます。
アメリカ国立衛生研究所(NIMH)によると、パニック障害は家族で遺伝することがあるものの、遺伝する人としない人がいる理由は判明していないといいます。
パニック障害は通常、心理療法や薬物治療、またはその両方を用いて治療されます。
職場生活の心理的側面について企業からの相談を受けるシカゴの精神科医兼精神分析医であるGourguechon医師は、「この障害は治療可能」であると言います。
NIMHは、パニック障害の治療には特に認知行動療法が効果的である可能性を示しています。
なぜならこの方法は「パニック発作に伴う感情に対する異なる考え方や行動、反応方法を教える」ためです。
抗うつ薬やβ遮断薬などの特定の処方薬も、パニック障害の治療に役立ちます。
これらの薬は、頭痛や睡眠障害、吐き気などの副作用を引き起こす可能性がありますので、医師に相談してください。


4. 考えを書き出す
Amen医師は、パニック状態になると私たちの考えは歪み、困難に見舞われるといいます。
「心の中に自然発生するマイナス思考に目を向け、書き留めることで、それらが意味を成すものであるかを確かめてください。」とAmen医師は話します。
「もしあなたの考えに歪みがある場合、同じ考えのより現実的なものを書き出すことで、自身のマイナス思考に向き合い、立ち向かってください。」
アメリカ精神医学会によると、日記をつけることはメンタルヘルスに良いといいます。
同様にパニック発作が収まった後に自分の考えを書き留めておくと、自身の発作について理解を深めるのに役立つと、Amen医師は説明しています。


5. 上司と話すことを検討する
パニック障害を抱えている場合、それを上司や人事に打ち明けることは困難であるかもしれません。
しかしあなたは、上司に「時々業務を中断し、立て直す必要があるのはなぜなのか」と疑問に思って欲しくはないとも考えるでしょう、とGourguechon氏は言います。
米国雇用機会均等委員会によると、米国障害者法(ADA)の下では、雇用者が単に精神障害があることを理由に差別することは違法であるとしています。
ADAは、雇用主に対し、この法の対象者に「合理的配慮」を提供するよう要求しています。

コロンビア特別区とメリーランド州郊外の患者を治療する心理療法士であるAnita Gadhia-Smith氏は、次のように述べています。
「人事や上司の助けを借りて、自分の能力に応じて業務量を調節することができるかもしれません。」

出典:2019年1月7日更新 U.S.News『How to Handle a Panic Attack at Work』(2019年4月29日に利用)
https://health.usnews.com/wellness/mind/articles/2019-01-07/how-to-handle-a-panic-attack-at-work