肝炎新薬、セイヨウオトギリソウと併用で効果減少
95%超の高い確率でウイルスを除去するC型肝炎の新薬を服用中、健康食品などに含まれる「セイヨウオトギリソウ」(別名・セントジョーンズワート)を摂取すると薬の効果が弱まるとして、販売元の製薬会社が注意を呼びかけている。
この新薬は、ギリアド・サイエンシズ社が5月末に発売した「ソホスブビル」。遺伝子型が2型のC型肝炎では初の飲み薬で、1型でも同薬を配合する「ハーボニー」が8月にも使えるようになる見通し。これらの薬の対象者は約40万人。承認申請中、国の指摘があり、セイヨウオトギリソウとの併用を禁忌とした。
セイヨウオトギリソウは、サプリメントやハーブティーとして市販されている。細胞内の化合物の排出機能を高める働きがあり、ソホスブビルと併用すると薬の成分が排出され、治療に必要な濃度に達せず、ウイルス駆除に失敗すれば同種の別の薬も効かなくなる恐れがある。
長崎医療センター(長崎県大村市)の八橋弘医師は「確実に1度で治さないと完治の機会を逃す恐れがあり、事前確認が必須だ」と指摘している。
(2015年6月9日 読売新聞)
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