肥満と高血糖を伴う糖尿病での死産のリスクについて
(ロイターヘルス) - 糖尿病の妊婦は、肥満や血糖値の管理が不十分な場合に死産となる可能性が高いと、新しい研究では示されています。
こういった余計な健康上の問題がなくても、妊娠した糖尿病の女性は、糖尿病でない女性よりも死産のリスクは4倍から5倍高いと言われています。
この研究において、研究者は1998年から2016年の間にスコットランドで出産した糖尿病の母親に関するデータを調べました。
出産したこれらの妊婦の約70%が1型糖尿病の女性で、これはあまり一般的ではない、膵臓がインスリンを産生できないタイプの糖尿病で小児期または若年期に発症します。
肥満や加齢に関連する2型糖尿病では、体が血糖をエネルギーに変換するためのインスリンを適切に使用することも、十分なインスリンを作ることもできません。
全体の死産率は、1型糖尿病で1,000回の出産ごとに16.1回、2型糖尿病で1,000回の出産ごとに22.9回でした。
1型糖尿病では、妊娠前または妊娠後期の血糖値が高いほど、死産率は3%〜6%高くなりました。
2型糖尿病では、妊娠前の血糖値の上昇は死産リスクが2%高いことに関連し、BMIが高いとそのリスクは7%上昇しました。
死産の大部分は妊娠初期に起こりましたが、およそ3分の1は、出産間近で起こりました。
研究の主任著者でスコットランドにあるグラスゴー大学の研究者であるシャロン・マッキン博士は、次のように述べています。
「糖尿病での妊娠では早期の出産が、これらの死産を防ぐことができるかどうかについて質問がされなければなりませんが、私たちにはそれに対する答えがまだありません。」
「糖尿病の合併症がある妊婦の最適な出産のタイミングについては明らかではありません。」
死産の絶対リスクは、特に1型糖尿病に罹患している母親では、妊娠初期が最も高いことがわかりました。
死産はまた、両方のタイプの糖尿病がある母親では、妊娠年齢が高いほど可能性が高いことがわかりました。
この研究は、糖尿病の女性の間で特定の要因が直接、死産を引き起こす可能性があるかどうか、またはその可能性を証明するための対照実験ではありませんでした。
1つの制限としては、糖尿病の治療が研究期間中に劇的に変化し、そしてそのことが、死産率に影響を及ぼした可能性があるということです。
研究は、出産に影響を与えるかもしれない、妊婦個人の特徴に関するデータを欠いており、それが、それぞれの死産を引き起こした可能性があることを確認するための、胎児の死亡診断書からの詳細を研究者たちは持っていませんでした。
医師は現在、妊娠38週目に出産するよう糖尿病の女性に助言しているとマッキン博士は述べました。
それより早期であれば、新生児には肺の発達が未熟であるために起こる呼吸の問題を高める可能性があります。
こういった呼吸障害のリスクは、37週目のほうがそれより遅い週で生まれた新生児よりも高いとマッキン博士は述べました。
「私はこれが研究の重要な分野であると思います。これらの女性のために出産ケアの推奨を行うためには、その前に、さらに調査が行われる必要があります。」
【以下のウェブサイトより引用】
Stillbirth risk in diabetes higher with obesity and high blood sugar