肥満は十代の若者たちの間では伝染するかも?
2020年3月18日(HealthDay News)- 肥満や太りすぎの子供がまわりにたくさんいる10代の若者はそれを自分の体型の理想と見なすようになると新しい研究が示唆しています。
その結果、これらの十代の若者たちは肥満または太りすぎになる傾向がある、と研究者は言います。
「肥満率が高いと、10代では不健康な体重が正常となり、肥満の予防をより難しくなる可能性があります。」
と主任研究者のアシュレシャ・データー氏は述べました。
彼女はロサンゼルスにある南カリフォルニア大学の経済社会研究センターの上級エコノミストです。
この研究のために、データー氏のチームは2017年12月から2018年7月の間にアメリカ陸軍の家族の研究に参加した401人の若者に関するデータを収集しました。
若者とその両親へは、10代の時の身長、体重、その他の要因に関するオンライン調査が行われました。
若い人たちには、さまざまな体型の人の姿が提示され、自分の理想に最も近い人物を選択するように求められました。
「肥満率が高い地方に住む10代は、肥満率が低い地方に住む10代と比較して、より大きな体を反映した姿を選択する可能性が高くなりました。」とデーター氏は述べました。
彼女は、この研究の重要な強みは、10代の若者が親の軍事任務のために肥満率が高いまたは低い環境にいたことであり、肥満の多いコミュニティにいることが体格の規範と肥満リスクにどのように影響するかを確認することができたことです。
データー氏は、10代の若者たちのそういった環境を補うためには何かできるか、また、より健康な体型をモデル化するために何ができるかわからないと述べました。
「おそらく、不健康な体重や、体の大きさを取り巻く社会的圧力や規範に対処する方法について、10代の若者を教育することが役立つでしょう。」
と彼女は述べています。
デイビッド・カッツ博士は、健康的なライフスタイルを促進するトゥルー・ヘルス・イニシアチブ社(True Health Initiative)の社長です。
彼は研究に関与していませんでしたが、この調査結果をレビューしました。
「周りで肥満の人を多く目にすることで、若者が太りすぎた外観を効果的に「正常化する」という考えには快適と不快の両方があります。」
とカッツ博士は述べました。
快適なのは、若い人たちが自分の体型をより快適に感じることができ、過酷な自己判断や肥満であることの自尊心に対する悪影響が少なくなることだとと彼は言います。
「ソーシャルネットワークで肥満が正常化されると、それはまた非難され、いじめや虐待の歴史的な負担を軽減するのに役立つ可能性があります。これはすべて、非常に良いことだと思います。」
とカッツ博士は述べました。
しかし、肥満は2型糖尿病、脂肪肝、多くの主要な慢性疾患の主要な危険因子であり、それは思春期以前に発症してしまう可能性があると彼は指摘しました。
肥満を正常化すると、それを予防および管理することに対する無関心が誘発される可能性があり、これは健康に大きな犠牲をもたらす可能性があるとカッツ博士は警告しました。
「私たちは、肥満流行による犠牲者を非難することを終わらせるよう努力する必要がありますが、同時に、それに付随する健康被害を認識し、その非常に予防が可能な、公衆衛生上の悩みの管理、および予防のため、地域全体での努力を増やすべきです。」
と彼は述べました。
カッツ博士は、親の監視が肥満の流行の解決策であるとは考えていません。
彼は、体重が過剰であることが、重要な健康上のリスクであることを大人と子供に同様に教えることは医療専門家が担っていると述べています。
「両親に「いいえ、違います。あなたの体重は理想的ではありません」と言うことは勧めません。」
と彼は述べました。
「私たちは、親が同じ歪みを起こしやすいことを既に知っています。自分の子供の肥満を見過ごして否定する親の傾向に基づいて、「偏性(oblivobesity)」という用語を作り出しました。」
この報告書は3月16日のJAMA Network Openのオンラインで公開されました。
【以下のリンクより引用】
Obesity Might Be 'Contagious' Among Teens
Healthday