肥満は多くの一般的な癌の可能性を高める
2021年5月10日(ヘルスディニュース)-肥満または太りすぎは、いくつかの種類の癌を発症する可能性を高める可能性がある、と英国の新しい研究が明らかにしています。
しかし、過剰となった体重を減らすことでリスクを下げることができると研究者らは述べています。
研究によると、肥満を減らすことで、子宮内膜がんのリスクが44%、子宮がんのリスクが39%削減され、腎臓がんの18%、胃がんと肝臓がんの17%を予防することもできます。
スコットランドにあるグラスゴー大学のBHF心臓血管医学研究所の主任研究員、カルロス・セリス・モラレス氏は、次のように述べました。
「それはすべて、減量するということにかかっています。」
彼は、多くの人が健康的な体重を取り戻すためだけに体重を減らしていると述べました。
「私たちに必要なのは、長期的に健康的な体重とそれを達成した人々において病気のリスクを減らすことです。」
とセリス・モラレス氏は言いました。
「だからこそ、健康的な体重を維持するために、人々が生活の質を向上させることが非常に重要です。」
しかし、彼は、この研究では、太りすぎが癌を引き起こすことや、体重を減らすことで癌を予防できることを証明することはできず、太りすぎと癌のリスクとの間に強い関連があるようだと警告するものであるとしています。
この研究のためにセリス・モラレス氏と彼の同僚は、癌ではない40万人以上の男性と女性に関する英国バイオバンクからのデータを利用しました。
研究者らは、体脂肪率、ウエスト対ヒップの比率、ウエスト対身長の比、ウエストそしてヒップ周囲、ボディマス指数(BMI)、身長と体重に基づく体脂肪の推定の6つの肥満マーカーに基づいて24種類の癌での発症および死亡するリスクを調査しました。
どの方法で測定されても、肥満は最も一般的な10種類の癌を発症する確率を増加させたことを研究では発見しました。
ウエストとヒップがより大きいこと、BMI、または、体脂肪率が多いことはすべて同様に癌のリスクがありました。
セリス・モラレス氏は、BMIは体重に関連するがんのリスクを測定するための適切な方法であり、ウエストサイズや体脂肪率などのより複雑で費用のかかる測定に目を向けてもメリットはないと述べました。
たとえば、24.9のBMIスコアは正常と見なされ、25歳以上の男性でスコアを約4、女性で5を追加するたびに、全体として癌のリスクが3%高くなります。
また、胃(35%)、胆嚢(33%)、肝臓(27%)、腎臓(26%)、膵臓(12%)、結腸(10%)、膀胱(9%)の癌のリスクも増加しました。
同じ量の過剰な体重はまた、女性特有の2種類の癌である、子宮内膜癌(73%)と子宮癌(68%)の急激に高い確率と関連していました。
また、閉経後の乳癌でも8%の増加と関連していました。
アメリカ癌協会の疫学研究の科学ディレクターであるローレン・テラス氏は、調査結果をレビューしました。
「肥満が癌に影響を与えると考えられていることのいくつかには、エストロゲンやプロゲステロンなどの性ホルモン、インスリン関連の成長因子、脂肪組織から放出されるタンパク質であるレプチンやアディポネクチンなどがあります。」
と彼女は述べました。
太りすぎが多くの癌のリスクを高めるという強力な証拠にもかかわらず、体重を減らすことでそれをうまく元の状態にに戻すことができるかどうかについてはあまり知られていない、とテラス氏は述べました。
「これは、成人期に体重が減るのが比較的まれで研究が難しいためと思われます。」
と彼女は述べました。
「しかし、大規模な減量手術を受けた患者を対象としたいくつかの研究では、これらの患者の間で、いくつかのタイプの癌のリスクは低いことがわかっています。」
標準体重を維持し、バランスの取れた食事をとり、身体的に活動することは、健康の多くの側面に有益であるとテラス氏は述べています。
「私のアドバイスは、あなたに合ったダイエット方法を見つけ、それが習慣になるまで続けることです。」
と彼女は提案しました。
「身体活動を増やすために、自分にとって楽しいと思われることをしてください。自分の好みに合わせて個別化した食事摂って下さい。果物、野菜、全粒穀物は食事メニューに含めそれぞれの量を制限してください。」
次に、あなたのダイエットを軌道に乗せるために責任を担ってくれるパートナーを見つけてください。
「パートナーのサポートがあれば、私たち全員がダイエットに成功する可能性が高くなります。」
とテラス氏は述べました。
この調査結果は、BMC Medicine誌で5月9日に公開されました。
【以下のリンクより引用】
Obesity Raises Odds for Many Common Cancers
Healthday