肥満や腹部脂肪はメキシコ人の「早死に」に関連
メキシコシティでは肥満の人、特に腹部に余分な脂肪を溜めている場合、スリムな人よりも早期に死亡する可能性が高いと新しい研究では示唆して います。
肥満は長い間、さまざまな人種および民族グループの人々での早死にのリスクの増加に関連してきましたが、これまでの過去の研究では、これが ヒスパニック集団の場合には当てはまらないことが研究者によって指摘されています。
「しかし、これらの主張の根拠となる研究は、肥満が糖尿病や他のいくつかの慢性疾患をより一般的にする一方で、これらの疾患が大幅な体重の減少をもたらす可能性があり、それによってこれらの疾患が発生した元々の理由が隠される可能性がありました。」
と、この研究の上級著者であり、英国オックスフォード大学の研究者であるジョナサン・エンバーソン博士は述べました。
この研究において、研究者は、肥満に起因する、または体重減少の原因となる可能性のある慢性疾患のない、35歳〜75歳の115,400人の成人に 関するデータを調べました。
参加者は一般的に言う太り気味であり、研究に参加したときの平均体格指数(BMI)は28でした。参照として、身長5フィート6インチ(168 cm)で 体重175ポンド(約79 kg)の人のBMIが28です。
研究者は、参加者を少なくとも5年間、14年に渡り追跡しました。
研究開始時のBMIが5単位増えるごとに、追跡中にすべての原因で死亡するリスクが30%高くなりました。
BMIと早死の関係は、若い参加者ほど顕著でした。
研究開始時に40歳~60歳の人を対象とした調査中、ベースラインのBMIが5単位増加するたびに、すべての原因による死亡のリスクが40% 増加しました。
ただし、開始時に60歳〜74歳だった参加者では、ベースラインBMIが5単位増加するごとに、研究中の死亡リスクの上昇は24%のみでした。
40歳でのBMIが25だった人と比較して、BMIが30の人の平均余命は3年短く、BMIが40の場合では約10年短縮されると研究者は計算しました。
腹囲、あるいは太った人のお腹周りの脂肪の量も、早死のリスクに影響を与えるようでした。
ウエストがちょうど80cm、(約31インチ)の人と比較して、ウエスト周囲が約100 cm(約39インチ)の40歳〜70歳の人は、研究中に死亡する可能性が 約50%高く、 120cm(約47インチ)を超える腹囲の人での死亡リスクでは2倍以上でした。
ミネソタ州ロチェスターにあるメイヨークリニックの心臓病専門医、ホセ・メディナ・イノホサ博士は、この研究には関与していませんでしたが、次のように述べています。
「腹囲が大きくなることは活動不足である可能性が高く、座っている時間が長すぎる、また、加工食品や糖分の多い食事によるものです。この研究で 使用されたウエスト測定値は、炎症マーカーの増加と心血管疾患の発生率に関連する内臓脂肪(臓器についた脂肪)の増加のマーカーでもあります。
この研究の制限の1つは、研究者が糖尿病にかかった患者の割合に関するデータを欠いていたことです。
それでも、ヒスパニック系の人々は、肥満と過度の内臓脂肪に関連する死亡リスクを免れられないかもしれないことを研究結果は示唆していると エンバーソン博士は述べました。
「太りすぎと肥満は、アメリカやヨーロッパの非ヒスパニック系の人々とも同様に、ヒスパニック系の人々にも主要な死因となります。」
とエンバーソン博士は述べました。
「健康的な体重を維持するには、良い食事内容と定期的な運動を組み合わせることが最善の方法です。」
【以下のウェブサイトより引用】
Obesity, belly fat tied to early death among Mexicans
REUTERS