肥満率が上昇しても、糖尿病の新規症例は減少
米国では肥満率が上昇しても成人においての新たな糖尿病の症例数は減少し続けていますが、保健当局はその理由について確信を持っていません。
火曜日に発表された新しい連邦政府のデータによると、新しい糖尿病の診断数は、2009年の170万から、2017年には約130万に減少しました。
以前の調査で減少が見られてから新しい報告書まで、その減少は10年近く続いていることが示されています。
しかし保健当局はそれを喜んではいません。
新しい報告書の主執筆者である疾病管理予防センターのスティーブン・ブノワ博士は、次のように述べています。
「肝心なのは、何がこういった傾向を牽引しているのかが確実にわからないことです。可能性としては、検査方法の変更と、
糖尿病になる前に人々は健康状態を改善しているということです。」
この報告書は『BMJ Open Diabetes Research&Care』誌上で発表されました。
統計は2017年まで続いていますが、昨年の数値は未入手であるとブノワ博士は述べました。
糖尿病は糖が血中に蓄積する病気です。最も一般的な形態は肥満に結びついており、米国の肥満率が上昇するにつれて糖尿病患者の数は増加してきました。
しかし専門家の中には、他の要因もまた2000年から2010年の間の糖尿病の診断数を押し上げたかもしれず、それらが部分的には、
なぜ症例数が、その後減少しているのかを説明するかもしれないと言う人もいます。
まず、診断しきい値が1990年代後半に引き下げられました。
そして、そのことでより多くの人が糖尿病患者として診断されるようになり、その影響が出ているのかもしれません。
ノースカロライナ大学の糖尿病専門家であるジョン・ブース博士は、次のように述べています。
「私たちはこれまで認識されていなかった多くの症例を見つけ出した可能性があります。
そして、ここ数年間の新しい診断が実際の新しい症例である可能性が高いのです。」
その間に、医師は糖尿病を診断するために更に新しい血液検査を使用するようになりました。
それは患者が12時間断食するか、もしくは、2時間にわたって繰り返し採血を受けることが求められる検査よりはるかに簡単なものです。
アメリカ糖尿病協会は、2010年に定期検査のために『ヘモグロビンA1C血液検査』として知られる新しい検査を推奨しました。
しかし一部の専門家は、人々が症状を見せていない初期の事例の大部分を見逃しているかもしれないと言います。
「診断されたはずの人々を見逃していた可能性があります。」
とブノワ博士は述べました。
もう一つの可能性としては、血糖値は高めであるものの糖尿病の閾値に達するほど高くない健康状態である「前糖尿病」と患者を診断する医師が増えています。
医師は通常このような患者へは、運動するように駆り立て、食事内容を変えるように促します。
UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の専門医であるタナズ・モイン博士は次のように述べています。
「前糖尿病はより受け入れられた診断になりつつあります。それが糖尿病になる前により多くの患者が健康状態を改善している可能性があります。」
新しい報告書は、毎年政府が実施した大規模な全国調査に基づいています。
調査では参加者へ糖尿病と診断されたかどうか、そしてまた診断が前年になされていたかどうかについて尋ねました。
CDC(アメリカ疾病管理予防センター)によると、米国の新しい糖尿病の発生率は、2009年の成人1,000人当たり9.2人から2017年では1000人当たり6人に低下しました。
研究者によると、この減少は主に白人成人の間で見られたようです。
一方で、診断が最近であるかどうかにかかわらず、アメリカ人が糖尿病にかかっているかどうかの全体的な推定は、米国の大人1000人当たり80人と安定しています。
それは人数に換算すると約2100万人のアメリカ人となります。
【以下のウェブサイトより引用】