肺や心臓、その他臓器がコロナウイルスによる長期的な影響を受けるリスクがある
COVID-19は最初、肺のみを標的とする疾患であると考えられていました。
しかし現在、この感染症は実際、ほぼ全ての器官系に損傷を与える可能性があり、この影響は回復後も長く続く可能性を示す研究の数が増えてきています。
最近の報告では、新型コロナウイルスが肺や心臓、神経系に影響を与えることが示されています。
カリフォルニア大学バークレー校の感染症専門家は、
パンデミックが続く今後3カ月から6カ月にかけて、研究者が腎臓や肝臓の他、消化管といった体のその他部分などのリスクのある臓器を調べるにつれ、COVID-19の長期的な影響がより多く示される可能性があると述べています。
「当初、この感染症を理解しようとする私たちのモデルは、インフルエンザのようなその他呼吸器ウイルスと同様に治療することでした。」と、カリフォルニア大学バークレー校およびサンフランシスコ校の共同医療プログラムで感染症およびワクチン学の臨床教授を務めるジョン・スワルツバーグ博士は、バークレー・ニュースの取材に対してに語りました。
「このウイルスにおいて最も残念かつ興味深いことの一つは、人々との相互作用がはるかに複雑であるということであると考えています。」
2020年前半、医師らは重度のCOVID-19から回復した患者の持続的な合併症の一部について観察を行いました。
スワルツバーグ氏によると、最初の報告ではこの疾患は肺の瘢痕化を早め、長期的な息切れや呼吸器障害に繋がる可能性があることが示されていたといいます。
その他影響を受けやすい臓器として、心臓があります。
スワルツバーグ氏は、肺と心臓の両方が、COVID-19に対する免疫反応によって引き起こされる
サイトカインストームの影響を受けることを示す証拠について引用しました。
一部の症例では、コロナウイルスは直接心筋細胞を標的とすることが示されました。
これにより、COVID-19の生存者は慢性的な心臓障害リスクにさらされる可能性があると、同氏は、述べています。
コロナウイルスのパンデミック中に注目を集めるその他の器官系として、中枢神経系があります。
ウイルスが神経に直接影響を及ぼし、神経障害や認知障害を引き起こす可能性があることを示す証拠がいくつか存在し、スワルツバーグ氏はこれについて「大きな懸念がある」と述べています。
＜その他の深刻なCOVID-19合併症＞
一部のCOVID-19症例では、患者に異常な血液凝固が見られました。
中には、血栓が肺に移動したことで肺塞栓症を発症した患者もいました。
その他、血栓が脳の血管系に影響する脳卒中を引き起こした症例もありました。
スワルツバーグ氏は、肺塞栓症と脳卒中は、いずれもこれら二つの臓器の長期的な損傷と関連していると述べています。
一部の患者の腎臓には、コロナウイルスが受容体に結合するため、COVID-19によるサイトカイン過剰が原因と考えられる影響が見られ、これは肝臓や消化器系にも見られました。
最近の研究では、COVID-19が子供に及ぼす影響は独特であることが示されています。
研究者らは、一部の若い患者が、重度の感染を患っている最中、及び回復後に、川崎病に類似した臓器性炎症性疾患を発症したことに気が付きました。
これは皮膚や関節、腎臓、肺、心臓に影響を及ぼし、死亡リスクを高めました。
「ほぼすべての器官系を調査し終えたと思います。中でも、肺と心臓に加え、恐らく中枢神経系も、持続的な合併症を起こしやすい臓器であると考えています。」と、スワルツバーグ氏はバークレー・ニュースの記事の中で述べています。
「しかし、今、非常に速い速度で研究が進められています。3～6か月後にもう一度訪ねて頂ければ、リストは長くなっている部分もあれば、一部の慢性障害については削除されていることは間違いありません。」
彼は、科学者らは、新型コロナウイルスによって引き起こされる可能性のある慢性健康合併症について、まだ完全に理解していないと述べています。
医学界はまた、無症候性及び軽度のCOVID-19症例における長期的な問題のリスクについても調査すべきです。
しかし、深刻な持続的合併症を避ける方法もあると、スワルツバーグ氏は話します。
同氏は、喫煙や電子タバコの使用といった不健康な生活習慣を変え、糖尿病や高血圧、肥満などの、COVID-19を深刻化させる可能性のある疾患を避ける必要があると述べています。
出典 2020年7月15日更新 Medical Daily『Lungs, Heart, Other Organs At Risk Of Long-Term Coronavirus Effects』 （2020年7月20日に利用）
https://www.medicaldaily.com/lungs-heart-more-organs-risk-long-term-coronavirus-effects-after-recove...
しかし現在、この感染症は実際、ほぼ全ての器官系に損傷を与える可能性があり、この影響は回復後も長く続く可能性を示す研究の数が増えてきています。
最近の報告では、新型コロナウイルスが肺や心臓、神経系に影響を与えることが示されています。
カリフォルニア大学バークレー校の感染症専門家は、
パンデミックが続く今後3カ月から6カ月にかけて、研究者が腎臓や肝臓の他、消化管といった体のその他部分などのリスクのある臓器を調べるにつれ、COVID-19の長期的な影響がより多く示される可能性があると述べています。
「当初、この感染症を理解しようとする私たちのモデルは、インフルエンザのようなその他呼吸器ウイルスと同様に治療することでした。」と、カリフォルニア大学バークレー校およびサンフランシスコ校の共同医療プログラムで感染症およびワクチン学の臨床教授を務めるジョン・スワルツバーグ博士は、バークレー・ニュースの取材に対してに語りました。
「このウイルスにおいて最も残念かつ興味深いことの一つは、人々との相互作用がはるかに複雑であるということであると考えています。」
2020年前半、医師らは重度のCOVID-19から回復した患者の持続的な合併症の一部について観察を行いました。
スワルツバーグ氏によると、最初の報告ではこの疾患は肺の瘢痕化を早め、長期的な息切れや呼吸器障害に繋がる可能性があることが示されていたといいます。
その他影響を受けやすい臓器として、心臓があります。
スワルツバーグ氏は、肺と心臓の両方が、COVID-19に対する免疫反応によって引き起こされる
サイトカインストームの影響を受けることを示す証拠について引用しました。
一部の症例では、コロナウイルスは直接心筋細胞を標的とすることが示されました。
これにより、COVID-19の生存者は慢性的な心臓障害リスクにさらされる可能性があると、同氏は、述べています。
コロナウイルスのパンデミック中に注目を集めるその他の器官系として、中枢神経系があります。
ウイルスが神経に直接影響を及ぼし、神経障害や認知障害を引き起こす可能性があることを示す証拠がいくつか存在し、スワルツバーグ氏はこれについて「大きな懸念がある」と述べています。
＜その他の深刻なCOVID-19合併症＞
一部のCOVID-19症例では、患者に異常な血液凝固が見られました。
中には、血栓が肺に移動したことで肺塞栓症を発症した患者もいました。
その他、血栓が脳の血管系に影響する脳卒中を引き起こした症例もありました。
スワルツバーグ氏は、肺塞栓症と脳卒中は、いずれもこれら二つの臓器の長期的な損傷と関連していると述べています。
一部の患者の腎臓には、コロナウイルスが受容体に結合するため、COVID-19によるサイトカイン過剰が原因と考えられる影響が見られ、これは肝臓や消化器系にも見られました。
最近の研究では、COVID-19が子供に及ぼす影響は独特であることが示されています。
研究者らは、一部の若い患者が、重度の感染を患っている最中、及び回復後に、川崎病に類似した臓器性炎症性疾患を発症したことに気が付きました。
これは皮膚や関節、腎臓、肺、心臓に影響を及ぼし、死亡リスクを高めました。
「ほぼすべての器官系を調査し終えたと思います。中でも、肺と心臓に加え、恐らく中枢神経系も、持続的な合併症を起こしやすい臓器であると考えています。」と、スワルツバーグ氏はバークレー・ニュースの記事の中で述べています。
「しかし、今、非常に速い速度で研究が進められています。3～6か月後にもう一度訪ねて頂ければ、リストは長くなっている部分もあれば、一部の慢性障害については削除されていることは間違いありません。」
彼は、科学者らは、新型コロナウイルスによって引き起こされる可能性のある慢性健康合併症について、まだ完全に理解していないと述べています。
医学界はまた、無症候性及び軽度のCOVID-19症例における長期的な問題のリスクについても調査すべきです。
しかし、深刻な持続的合併症を避ける方法もあると、スワルツバーグ氏は話します。
同氏は、喫煙や電子タバコの使用といった不健康な生活習慣を変え、糖尿病や高血圧、肥満などの、COVID-19を深刻化させる可能性のある疾患を避ける必要があると述べています。
出典 2020年7月15日更新 Medical Daily『Lungs, Heart, Other Organs At Risk Of Long-Term Coronavirus Effects』 （2020年7月20日に利用）
https://www.medicaldaily.com/lungs-heart-more-organs-risk-long-term-coronavirus-effects-after-recove...