肺細胞は細菌にどのように反応するのか
以前の研究では、細菌性肺炎からの回復により、肺に肺常駐記憶T(TRM)細胞と呼ばれる免疫細胞を播種することにより、さらなる感染に対しての免疫力が大幅に改善されることが示されましたが、これらの細胞が実際に将来、細菌感染からどのように肺を保護するのかについてはこれまでわかっていませんでした。
研究者は、TRM細胞が周囲の肺細胞に、好中球と呼ばれるバクテリアキラーを作りだすシグナルを送信するよう指示するということを発見しました。
これらの発見は、肺組織内の免疫が肺炎を予防するための最大の保護となることを示しています。
世界中で、肺炎は依然として深刻な疾患です。毎年、5歳未満の100万人を超える子供が肺炎およびそれに関連する合併症で死亡しています。
米国では、肺炎が子供の入院の理由では最も一般的であり、感染症関連の入院と高齢者の死亡のほぼ半分を占めています。
ボストン大学医学部(BUSM)では実験モデルを使用した研究者らはTRM細胞を枯渇させる方法を開発し、感染に対する肺の反応に特異的に影響するかどうかを判断しました。
「肺のライニング細胞はTRM細胞が失われると挙動を変えることがわかったので、好中球動員シグナルを生成するためにTRM由来の信号に、どのように応答するかなどを培養中の肺のライニング細胞で調査しました。」
と、 BUSMの医学、微生物学、生化学の教授であるジョセフ・ミズゲルド氏は述べました。
細菌性肺炎からの回復が、以前感染した肺組織を変えることを最初に特定したのは、ミズゲルト氏と彼のチームでした。
研究者によると、この研究で肺炎と戦うのに役立つ免疫成分に関する知識が生み出されます。
「長期にわたって、この研究は肺炎の予防と治療に影響を与えます。肺炎は、入院患者を集中治療が必要になるまで悪化させさらに悪い結果をもたらすのを防ぐためには重要です。」
ミズゲルド氏は、将来、臨床医が人の肺免疫と肺炎感受性の状態を測定して報告できるようになると構想しています。
「肺炎を予防するために個々の肺炎患者の肺免疫を操作し、誘発、または模倣することで個人の肺免疫を改善するための介入を開発し、薬物が、まだ開発されていない薬物耐性生物や微生物に対する治療を達成します。 」
【以下のリンクより引用】
Researchers discover how lungs cells respond to bacteria
Medical Xpress