胚移植が治療困難な膣感染症の治療を助ける

2019年10月7日（HealthDay News）- 細菌性膣炎は、通常抗生物質で簡単に治療される女性の一般的な感染症です。しかし、感染症を再発する人にとっては、治療の選択肢は限られています。

現在、イスラエルの研究者は、「膣マイクロバイオーム移植」を受けた5人の女性のうち4人で再発性感染症を寛解させることができたと報告しています。

移植は、健康なドナーの膣液から集められた健康な細菌で構成されていたと研究者は説明しました。

「細菌性膣炎は、命にかかわるものではなく、一般的な女性の疾患ですが、深刻な不快感や自尊心の低下、恋人との親密な関係や社会的隔離、そして産科合併症など、生活に深刻な影響を与えます。」

と、研究の上級著者であるエラン・エリナフ博士は述べました。

「この新しい治療法を導入することが、世界中の何百万人もの女性に手頃な価格での解決策に一歩近づくことを願っています。」

と、イスラエルとドイツにあるワイツマン科学研究所のエリナフ博士は付け加えました。

細菌性膣炎は生殖年齢の女性の3分の1程度が疾患しています。感染しても症状が出ないこともあれば、悪臭を放つおりものを引き起こすこともあります。

研究によると、抗生物質による治療後の再発率は3ヶ月後で約30％であり、と1年以内では50％〜70％と高い再発率となっています。

継続的な抗生物質治療は、再発性の感染症を改善する可能性がありますが、女性に酵母感染などの他の感染症のリスクは残ったままです。

現在の研究では、細菌性膣炎が再発した27歳〜47歳の5人の女性が含まれていました。

彼らの感染は抗生物質には完全に反応しなくなっていました。

研究者は、影響を受けた女性の膣微生物叢（細菌コミュニティ）の回復を助けるため、膣液を提供する3人の女性が集められました。

エリナフ博士は、献血がスクリーニングされるのと同じように、液体が複数のウイルス性および細菌性病原体についてスクリーニングされたと述べました。

エリナフ博士によると、5人の女性のうち4人が完全に寛解しました。

3人の女性に寛解を達成するまでに複数「移植」が行われました。博士は、5人目の女性は部分寛解したと述べました。

「この友好的な買収により、細菌性膣炎微生物叢の優位性に関連する症状と合併症は急速に治まります。」

症状が改善した女性は、乳酸菌により膣微生物叢が強化されたことが示されました。

過去の研究によりこれらの細菌が健康的な膣のマイクロバイオームに関連していることがわかっています。

この研究の著者は、5人目の女性が完全寛解に至らなかった理由を突き止めてはいませんでした。

エリナフ博士は、「悪玉細菌」が移植された善玉細菌よりも強かった可能性があると述べました。

彼は、将来の研究が、全ての女性でのドナーの選択と治療が成功することに貢献できるようにすることを望んでいます。

彼のチームは、今後数か月のうちに別の研究を開始する予定であるとエリナフ博士は指摘しました。

ニューヨーク州ハンティントンにあるノースウェル・ヘルスハンチントン病院の産婦人科の会長であるミッチェル・クレイマー博士は、次のように述べました。

「この研究は、生活に悪影響を及ぼし、健康と幸福に悪影響を与える可能性のある、再発性の難治性細菌性膣炎に苦しむ女性に、興味深く、斬新で、潜在的に有効な治療法があることを示すものです。」

この研究において、有害事象は見られませんでしたが、クレイマー博士は、

「移植による他の疾患への伝播を防ぐためにドナーの選定には十分に注意を払わなければなりません。」と付け加えました。

さらに、彼はこの治療方法をもっと大きな女性のグループで研究する必要があるとも述べました。

この研究の結果は、Nature Medicine誌において10月7日に発表されました。

【以下のウェブサイトより引用】

HealthDay