脂肪が少なく、果物が多いと乳がんの生存率は向上する
初めての大規模な実験で、食物脂肪を減らして果物や野菜をもっと食べることで、女性が乳がんで死亡する危険性が
低下する可能性があることが示唆されています。
この結果は注目に値します。
なぜならそれらは人々の食事の仕方についての観察から健康の結論を引き出そうと試みる他の研究よりも、
20年間で49,000人もの女性が含まれた厳密な追跡試験から得られた結果であるからです。
結果は、少なくとも8年間、食事療法を変更し、その後乳がんを発症した女性が、通常通りに食事を続けた他の人たちと比較して、
疾患による死亡のリスクが21%低くなったのです。
しかし、そのリスクは最初は小さく、食事の効果はそれほど大きくなかったため、グループ間での違いが現れるまでに20年の歳月がかかりました。
食事の変更によっても、乳がんの発症リスクが低下することはなく、それがこの研究の主な目的でした。
それでも、医師はこの結果が乳癌の女性が生存する可能性を向上させるかもしれないことが示されていると言います。
アメリカ・ボストンにあるダナ・ファーバー癌研究所のジェニファー・リジベル博士は、次のように述べています。
「患者は、自分ができることはやりたいものです。この研究は本当に食事を変えたり、体重を減らしたり、運動したりすることが、
実際には治療法になるかもしれないということを示しています。」
「私たちはこれを非常に真剣に考える必要があります。」
研究の質の高さから、スタンフォード大学の乳がん専門家で腫瘍学会のスポークスウーマンであるリディア・シャピラ博士はこう述べました。
「私たちが食べるものが重要なのです。」
この結果は、以前は更年期症状に対するホルモン療法についての長年の助言を覆していた、
政府が資金提供した大規模な研究『Women's
Health Initiative』によるものです。
この研究の食事療法の部分には、1990年代に乳がんでない50歳〜79歳の女性48,835人が参加しました。
当初、彼女たちはカロリーの1/3を脂肪から得ていました。
あるグループは定期的なカウンセリングセッションを受け、脂肪をカロリーの20%に制限し、より多くの野菜、果物、穀物を食べるようにしました。
また、残りのグループはいつもの食生活を続けました。
低脂肪食を行ったグループは当初の目標は逃しましたが、1年後には24%、8年後には約30%に脂肪摂取量を減らしました。
対照群の脂肪摂取量には、ほぼ変化はありませんでした。
以前の研究では、後に乳がんを発症した低脂肪グループの女性では、すべての原因による死亡者数が少ないことが示されています。
今、20年後となり、その病気による死亡率に違いが生じています。
しかし、乳がんで死亡した女性は383人だけなので、絶対数的な意味での利益となると小さいものでした。
脂肪を取り除いたり、野菜、果物、穀物を増やしたことが役に立ったのでしょうか?
「食事療法は複雑です。ある人がある食べ物をより多く食べているのであれば、他の人ではそれが少ないのでどれの変化が、
何に影響しているのかは言い難いのです。」
とリジベル博士は言います。
あまりにも多くのでんぷん質の多い食べ物を食べるのも良いことではありません。
そして研究者は今、脂肪の種類が重要であること、そしてオリーブ油のようないくつかの脂肪が他のものより良いことを知っています。
「この研究が計画されてから、食事に関する私たちの見解は進化しました。」
【以下のウェブサイトより引用】