脊髄液へのHIVの潜伏が思考問題に関連
2019年7月16日(HealthDay News)-長期治療を受けていても、エイズの原因となるウイルスを持つ人々の脳脊髄液から
HIVがまだ見つかる可能性があると新しい研究は報告しています。
そして、これらの患者は思考能力の問題を抱える危険性が高いと研究者らは述べています。
ピッツバーグ大学の感染症の研究責任者であるジョン・メラーズ博士は、次のように述べています。
「脳に潜む感染症を標的にすることは困難であり、HIVはおそらく例外ではありません。」
「私たちはHIV治療のためにほとんどの時間を割いていますが、まだ戦いの途中です。注意はしますが、楽観的です。」
研究者らは、平均9年間、抗HIV療法薬での治療を受けていた69人のHIV感染者の脳脊髄液を分析しました。
この研究では、参加者のほぼ半数が、脳脊髄液中にHIV感染細胞を抱えていることがわかりました。
脳脊髄液中にHIV保有細胞を持たない人の11%と比較して、HIVを保有する細胞があった人のうちの30%が思考問題(認知障害)の
基準を満たしていました。
研究者によると、この結果は、よく治療管理がされたHIV感染者が記憶と集中力の問題を抱え、複雑な作業を完了することが困難であるという理由を説明するのに役立つ可能性があります。
彼らはまた、その結果は脳がHIVの重要な貯蔵庫であることを示しており、潜在的な治療法を臨床試験で考慮される必要がある課題だと述べました。
脳内にある方が、体内の他の場所にある場合よりも治療が簡単な簡単である感染症などないとメラーズ博士は述べました。
研究者らは、この研究では脊髄液中のHIV保有細胞の存在が。認知障害を引き起こすことは証明していないことを指摘しています。
そして、調査結果についてはいくつか補足説明があるかもしれないと述べています。
例えば、神経系における元々のHIV感染のレベルがHIV保有細胞を有する患者においてより高かったこと、または抗HIV療法の開始前に、
HIV感染の初期の時点で認知問題が始まった可能性があることなどがあげられます。
しかし、十分に管理されたHIV感染と思考の問題との間の関連性について知ることは、医師がそういった患者のモニタリングが必要となる患者を認識することに役立つとメラーズ博士は述べました。
この研究はJournal of Clinical Investigation誌に7月15日に掲載されました。
【以下のウェブサイトより引用】