脳の限局性病変の研究は白質へのダメージを調べることで認知障害をよりよく予測できる可能性を示す
カーバー医科大学、アイオワ大学、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者チームは、脳損傷患者での認知障害の程度の予測は、灰白質よりも、白質を調べることで、医師はより良い結果が得られる可能性があるということを発見しました。
国立科学アカデミーの議事録に掲載された彼らの論文の中で、研究グループは彼らが行った『限局性脳病変研究』により見つけたことを説明しています。
以前の研究では、脳にはネットワーク機能で重要な役割を果たす、高度につながれた通信領域があることが示されています。
このような領域は『ハブ』として知られるようになりました。
以前の研究では、脳の損傷によって起こるハブの混乱が重大な認知障害を引き起こす可能性があることも示されています。
近年、科学者たちは、灰白質のハブとは多少異なる役割を果たしているものの、白質(主に神経線維とミエリン鞘で構成されている脳の淡い組織)にもハブがあることを発見しました。
白質のハブは、灰白質で構成された脳の部分が互いに通信できるようにする脳を横断するコミュニケーションの中枢として機能します。
その一方、灰白質ハブははるかに局所化されています。
この新しい研究では、研究者たちは、灰白質のハブに対する脳の損傷と、白質のハブに対する同様のタイプの損傷による影響を調べました。
この研究には、『限局性脳病変(focal brain lesions)』と呼ばれる脳の異常組織の研究が含まれていました。
それらは通常、病気による外傷によって引き起こされます。
研究者らは、脳のさまざまな部分に限局性の脳病変がある2つの別々の患者のグループを調べました。
より具体的には、彼らは、そのような病変が白質と灰白質(主に神経細胞と樹状突起で構成される脳の組織)で発生した場合に認知障害を引き起こす可能性が高いかどうかを調査しました。
白質または灰白質のハブに病変がある患者の認知転帰を比較したところ、白質の病変は灰白質の病変よりも転帰が悪い傾向があることがわかりました。
彼らは、これは白質ハブの病変が、脳のある領域から別の領域へのメッセージの送信を妨げる可能性があるのに対し、灰白質の病変はより局所的な混乱をもたらすためだと示唆しています。
【以下のリンクより引用】
Medical Xpress