腫瘍学における医薬品の再利用 - 抗癌剤としてのメベンダゾール

幅広い臨床用途において良く知られた駆虫薬であるメベンダゾール（Mebendazole）は、様々な種類の癌の広範囲な前臨床試験において、抗癌特性を有することが解明されています。
重要なことに、ヒトにおける抗癌活性の症例報告が2件存在しています。
提示された証拠に基づくと、メベンダゾールは既存の化学療法剤を含む他の医薬品と相乗作用を示す可能性が提案されており、
これにより抗癌治療薬としてのメベンダゾールの可能性に関するさらなる探求が正当化されました。

メベンダゾール治療の抗癌効果の証拠は、イン・ビトロ、イン・ビボ、イン・シリコ、およびヒトのデータに由来しています。
機構的には、実験においてメベンダゾールのの微小管阻害作用はよく特徴づけられており、これはタキサンやビンカアルカロイドなどの古典的な化学療法剤と類似した論理的根拠を示しています。
メベンダゾールの薬動態学、および優れた毒性プロファイルは十分に確立されており、また低コストである為、既存の標準治療と組み合わせて、
および多様な癌を治療するその他の再利用医薬品と併せることで、腫瘍治療としての医薬品再利用の有力な候補となると言えるでしょう。

PMC Journals, 2014年7月
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4096024/