腸のマイクロバイオームと炎症が変形性関節症の痛みの原因なのか
変形性関節症(OA)は、多くの成人が罹患する変性関節障害です。
より正確には、成人全体の約22%、そして65歳以上の成人では49%がOAの影響である関節の問題を少なくとも1つは持っています。
この症状は、軟骨および骨の進行の劣化、異常な骨形成、全身性そして局所の炎症、そして痛いということが特徴です。
OAでよく知られている危険因子は肥満であり、この場合、体重を支える関節が過剰な体重によりそこにかかる負荷が増加します。
しかし、興味深いことに、肥満である人は、体重による間接への負荷がなくともOAのリスクが高くなっています。
研究者は、肥満の個人におけるOAのリスクは、機械的な負荷の増加ではなく、腸内の微生物叢と炎症が肥満関連の変化に介されるものだと理論づけています。
ネイチャー コミュニケーションズ(Nature Communications)誌に掲載された最近の研究では、腸内細菌叢、膝OAの重症度と痛み、および肥満との潜在的な関連性が調査されました。
より正確には、著者はロッテルダム研究(RSIII)の1427人の参加者から便を採取し、腸内微生物叢のプロキシとなる微生物叢を決定しました。
参加者のうち124人が膝のOAがあり、285人は膝のOAによる痛みを報告していました。
著者らは、喫煙、アルコールの消費、および肥満とは無関係に、連鎖球菌多さと膝痛の重症度との関連を発見しました。
具体的には、連鎖球菌の存在量が多いほど、痛みの重症度が高くなることに関連していました。
さらに、著者らは、これらの効果は、腸内微生物叢を変える可能性のある経口薬とは混同しないということを示しました。
彼らの発見をさらに検証するために、著者は、867人の参加者の独自のオランダのコホートにおいて同様の関連が存在するかどうかを調査しました(OA関連の膝痛でn = 197)。
再び、彼らは、連鎖球菌の豊富さが膝の痛みの重症度と関連していることを確認しました。
彼らは、炎症を評価するために、ロッテルダム研究コホートのサブセットで利用可能な膝のMRIデータも分析しました。
興味深いことに痛みのスコアと連鎖球菌の量が膝の炎症に関連していることがわかりました。
このデータは、おそらく連鎖球菌と膝痛の重症度との関連が局所的な膝の炎症により少なくとも部分的に媒介されている可能性があることを示唆しています。
この関連の因果関係を確立するには、さらなる研究が必要です。
それでもなお、この発見は、腸内微生物叢と炎症の変化が変形性関節症の痛みに寄与する可能性があることを示唆しています。
【以下のリンクより引用】
Is the gut microbiome and inflammation contributing to osteoarthritis pain?
MEDICAL NEWS BULLETIN