腸内細菌叢は子供の行動を変えることができるのか
2020年1月21日(HealthDay News)- 行動に問題のある若い学齢期の子供たちは、問題のない友達とは異なる細菌を内臓に持っているかもしれないと新しい研究が示唆しています。
また、この研究では、親が子供の腸内の総称してマイクロバイオームとして知られている、特定の細菌の発生に重要な役割を果たす可能性があることも指摘されています。
その役割は、親が子供に与える食べ物の種類をから広がっていると研究者は疑っています。
「私たちは、子供の行動の多様性を説明するのに、腸内微生物叢が果たす側面があるかどうかを判断することに興味がありました。」
と、研究の主著者であるトーマス・シャープトン博士は述べました。
そして、それはどうやらその通りであるようです。
シャープトン博士は次のように述べています。
「例えば、保護者との絆が強いことが示された家庭の子供たちは、そうでない子供たちと微生物叢に違いがありました。」
彼は、オレゴン州コーバリスにあるのオレゴン州立大学の微生物学の准教授です。
シャープトン博士は、この研究が原因と結果の関係は証明していないことをまた指摘しました。
「細菌叢が問題行動を引き起こしていると言っているのではありまん。その行動が腸内細菌叢の変化を引き起こしている可能性があるのです。交絡因子を解きほぐすのは難しいと思います。」と彼は述べました。
研究者たちは、食事は、この研究で見られた変化を説明していないようだとも指摘しました。
これは、微生物叢を子供の行動に結びつけた最初の研究ではありません。
ヒューストンにあるテキサス小児病院の研究チームは、昨年5月に、自閉症で消化器症状のある子供は、その子供の兄弟姉妹や他の自閉症のない子どもと比較して、微生物叢に違いがあると報告しました。
しかし、これらの研究者は、自閉症を容易に示す明確な微生物叢パターンを見つけることができませんでした。
新しい研究には、5歳〜7歳の40人の子供が含まれていました。
研究者たちは、それぞれの子供たちの糞便サンプルを分析して、腸内の細菌の種類を特定しました。
シャープトン博士は、大規模な研究でこれらの発見について確認できれば、子供の行動がどのように発達するかを予測するために微生物叢情報を使用する方法を見つけ出すことが可能であるかもしれないと述べました。
その情報があれば、より早期に介入ができ場合によってはより成功した介入へつながる可能性があります。
ニューヨーク州マウント・キスコにあるノーザン・ウエストチェスター病院の小児科長であるマリアン・ブエティ・スグロス博士は、この調査結果をレビューしました。
彼女は、次のように述べています。
「この研究は脳と腸につながりがあるという考えを補強するものですが、この研究により決定的な答えが得られるとは思いません。私たちにはさらなる研究を必要とする領域があります。」
ニューヨークのニューハイドパークにあるコーエン小児医療センターの発達および行動小児科長であるアンドリュー・アデスマン博士も同様の意見です。
「この研究は、学齢期の小さな子供でさえ、腸内細菌叢には消化機能をはるかに超える臨床的意義があることを示唆する一連の研究に追加されるものです。」
しかし、シャープトン博士が指摘したように、アデスマン博士もまた、このような研究では、どの要因が原因でそして、何が効果であるかを確実に知ることは難しいと述べました。
彼は、さらなる研究が必要であると述べました。
「腸内マイクロバイオームの臨床的意義を調べる研究はまだ初期段階にあり、特に子供たちでのそれの真の重要性を完全に理解するまでには10年以上かかるでしょう。」
と、アデスマン博士は述べました。
この調査結果は1月21日にmBioにて発表されました。
【以下のリンクより引用】
Could a Kid's Microbiome Alter Their Behavior?
Health Day