臨床試験で急性片頭痛を軽減した新薬
急性片頭痛を経験したことのある人なら新しい治療薬と聞いて安心するかもしれません。
この新薬の臨床試験の結果で、頭痛を解消し、片頭痛の他の症状を軽減できることを明らかにしました。
急性片頭痛を持つ多くの人々は、1990年代以降は、トリプタンという種類の薬に頼っています。
しかし、トリプタンはすべての人に効果が見られるわけではありません。有害な副作用があるために摂取できない人もいます。
トリプタンはセロトニン受容体を活性化することで作用します。
これは炎症を軽減し血管を引き締める効果があるのです。トリプタンは血管を収縮させるため、心血管疾患があるか、
その危険がある人には適していません。
研究中の新薬、Rimegepantは新世代の薬剤に属しており、それはトリプタンとは異なる方法で作用します。
この薬は、片頭痛発作の際に身体から放出される小さなタンパク質であるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の受容体を遮断することで頭痛を止めます。
New England Journal of Medicine誌に発表された最近の論文では、急性片頭痛の治療において、
鎮痛剤がプラセボよりも有意に優れた性能を示した大規模第III相試験について説明されています。
ニューヨーク市にあるアルバートアインシュタイン医科大学の教授で副学長のリチャード・B・リプトン氏は、次のように述べています。
「約30年ぶりに、既存の薬剤で救済されない片頭痛を持つ人々に新しい選択肢ができるかもしれません。」
新規片頭痛薬の大規模試験
片頭痛がある人々は再発性の発作を経験することがあります。
吐き気や音や光に対する感受性などの他の症状を発症する可能性もあります。一旦発症すると、その状態は生涯続くことがあります。
2018年の研究の結果に基づいて、研究者らは2016年には10億人以上の人々、すなわち世界の人口の12〜14%に片頭痛が現れたと推定しました。
それらは緊張型頭痛ほど一般的ではありませんが、片頭痛が原因となり長年悩まされるという
より深刻な性質の障害となっています。
第III相試験では、急性片頭痛の成人における鎮痛剤の安全性と有効性が検証されました。
米国内の49か所の試験センターで、研究者らは片頭痛の1,000人以上の女性と男性に無作為に似た形状の偽薬錠剤を投与するように割り当てました。
この試験は二重盲検試験であり、参加者も薬剤を投与した管理者も、誰がプラセボを服用し、誰が偽薬を服用したのかを知りませんでした。
研究者らは、片頭痛発作を経験し、その痛みが中程度から重度になったときに錠剤を服用するように参加者に指示しました。
彼らはまた錠剤を服用する前後の48時間の間の痛みと症状についてアンケートに記入しました。
このアンケートでは参加者にリストから最も悩まされた症状を選択するようにされていました。リストの中には、
吐き気や光や大きな音に対する感度などの症状が含まれていました。
最小限の副作用で症状の軽減
結果は、偽錠剤(プラセボ)を服用した人の19.6%が2時間後には痛みを感じなくなったのに対し、
偽薬錠剤を服用した人ではわずか12.0%であったことが比較として現れました。
研究者らは、この違いは統計的に有意であり、それが偶然に起因する可能性は非常に低いということを意味すると述べています。
さらに、該当薬グループの参加者の37.6%が、タブレットを服用して2時間後に、「最も厄介な症状」の軽減が見られましたが、
プラセボグループの参加者では25.2%でした。
最も一般的な副作用は、吐き気と尿路感染症でした。研究者らは有害な心血管系の影響は確認しませんでした。
「これらの結果は、緊急の片頭痛発作中に発生する疼痛および関連症状を効果的に緩和するという作用機序を確認するものです。」
「CGRPブロッカーを10年以上研究してきた、当事者としては大規模な臨床試験でそれらの利点が確認されたことを嬉しく思います。」
とリプトン博士は結論付けています。
【以下のウェブサイトより引用】