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自閉症についての考え方「大規模リセット」

自閉症と診断された子供たち:
スティーブ・シルバーマン氏は、2000年代初頭に、シリコンバレーを対象に調査した際、多くのハイテク企業の幹部の家族についてある共通点に気づきました。

彼は医学文献を調査しその家族と話をした折に、子供の自閉症率が急速に上昇していたのです。

「オタク症候群」というタイトルでワイアード誌に掲載されたシルバーマン氏の記事もまた、自閉症は遺伝的要因とも考えつつ、自閉症の人が、数学的、方法論的に優れているように描かれ、書籍が一般化された後は、自閉症児の親や医師をはじめ他の読者にも反響が広まりました。

その記事について、自閉症は実現よりもいささか大げさに書かれていたという感覚をシルバーマン氏は持ちました。

国家統計では地域を問わず自閉症患者の増加が確認されています。2001年には、150人の子供のうち1人が自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断されましたが、2010年までに報告された最新の統計では、68に1人、更に上昇し続けることが予想されるとしています。 以前から、自閉症の擁護団体とその親は、自閉症が現代病である可能性があることを提唱し始めました。

これにより、治療法を見つけることを目的とした研究を活性化させたといえます。
しかし、彼が新たに発表した書籍、「NeuroTribes:自閉症の遺産と神経組織の多様性についての未来」にて、自閉症を流行病のように考えることは、 「悪魔を扱うこと」であるとシルバーマン氏は示唆しています。


「最初の数十年の間は、自閉症は完全に無視されており、症状が理解されるのはかなり困難なことでした。だから、自閉症が増えると同時にその概念が広まり出したことは、警鐘を鳴らすためのよい方法のように思われます。」と、シルバーマン氏はCBSニュースに語りました。

彼は更に、このマインドセットの問題点は、前の世代の自閉症の人々がまだ目に見えない助けを必要としているということだと述べました。
シルバーマンは、自閉症スペクトラム障害について、不明瞭な闇の歴史に関するレポート、研究やアーカイブなどの情報収集に5年間を費やしました。

彼は発展を伴う自閉症の研究と自閉症が医療対象となってから70年以上が経過し、社会が受け入れ始めたという変化を報告しています。
*自閉症についての隠された歴史 「NeuroTribes」は、電流戦争のような自閉症の創設研究者2人による『信用競争』についてとりあげています。

その名前が現在、多くの人に"高機能自閉症”として知られているハンス・アスペルガーが、まず1930年代に自閉症についての理論を展開しました。
アスペルガーは、自閉症の多くの人に行動の範囲に連続性があると提唱しました。しかし、彼の診療所にいた自閉症の子供たちの訴えにより、残酷なナチスの優生学実験の同調者もしくはイネーブラーだとして、彼はナチス支配下のオーストリアで逮捕されアスペルガーの理論は葬られてしまいます。
(それは不当であると、シルバーマン氏は述べています。)

同じ頃、アメリカの児童精神科医レオ・カナーは、アスペルガーの理論とは非常に異なった症状があるという見解をあげ、 それは彼の名を取り「カナー症候群」と称されました。
カナーは、より極端な例に焦点を当て、この障害は稀であり、貧しい環境の生成物でフロイトが説いた逸脱心理学の一種であると信じていました。

シルバーマン氏は、カナーはおそらくアスペルガー含め、その分野の他の研究にも影響を受けていたが、その理論を認めなかったと述べています。

20世紀半ばまでは、自閉症は愛情を表さない「冷たい母親」から生れた「毒性育児」と「超競争心の激しい父親」によって引き起こされた恥であると考えられ、その罪悪感から多くの捨て子が発生しました。
自閉症の子供たちは、多くのより顕著な場合に、未診断のまま心身ともに悪化していきました。

「それは、時代による悲劇に他なりません。その時代の両親は主治医から、『大変気の毒ですが、これは死ぬよりも辛い運命です。しかし、何らかの形で親はそれを受け入れることを学ばなければなりません。』といわれていました。しかし、今、私たちは自閉症スペクトルのすべての範囲を理解しています。」
とシルバーマンは述べました。

これは1980年代、90年代までにはなかった自閉症スペクトラム障害という広い範囲の症状を診断できることへの移行が勢いを増しているということです。

カナーの狭い定義に当てはまらないより多くの自閉症の症例数は、 スペクトルに沿って配置されるまでになりました。

映画「レイン・マン」の公開も、自閉症の人が直面している課題について国民の理解を高めることに一役買いました。 それでも、症状の原因は何なのか、なぜそれが急速に増加していたのか全く分かりませんでした。

シルバーマン氏は、数年前にこれらの疑問を持ち始めたとき、彼は、しばしば、「それは謎です。」というような集団肩すくめで終わったような異なる理論を嫌になるほど聞きました。
 
「本当なんでしょうか?という疑問が沸きあがります。私たちは、70年以上に渡り自閉症の歴史を見てきましたが、症例数が90年代に劇的に急上昇した理由を本当に理解できないのでしょうか?」とシルバーマンは述べています。

ワクチン中の微量の水銀が、自閉症の急激な増加を示す可能性があるなどというかき回された議論に対し、多くの研究が実験をし、また、反論しているという状況に導かれ、シルバーマンは、初期のインターネット事情に影響を受けた親のグループについて説明しました。
障害の遺伝的研究のための資金は、症例数に伴って増加しました。自閉症に使用される資金の多くは、部分的にとらえどころのないまま治療のための検索に移行し、2000年の$51.5万から上昇、 2014年には国立衛生研究所(NIH)は、自閉症研究のための政府の資金提供で$ 188万ドルを報告しました。

*優先順位のリセット*
「私たちの社会は、その優先順位の面で大規模なリセットが必要です。
今の家族が直面する主な問題の一つは、彼らの子供たちが高齢者となった時にどのようなサービスが受けられるのかですが、しかし、資金のほとんどは調査と原因の研究への資金提供となっています。」とシルバーマン氏は述べています。

「自閉症研究のためのNIHの資金提供は昨年は$ 188万ドル、自閉症の大人のためのサービスや治療法を改善する方法についての研究に費やされてきたのは、そのわずか2%です。
我々は、自閉症の大人の実際の生活について、どうにも知識が乏しいのだということを知らなければなりません。その一つには、これだけ数多く存在する自閉症の人々が成功する術を探す必要があります。」

現在、自閉症については、より一般的な疾患と認識されているため、不能者として扱われるような自閉症の成人はいませんが、神経学的に多様なグループとして自閉症成人を認識し、社会に貢献し、より自立した生活を支援することが目標とするスローガンであると、「NeuroTribes」で提唱されています。


「彼らは、地域社会に参加しつつありますが、どんなに明るく、または熱心であっても基礎とする部分の取得するために少し苦労しているだけなのです。」
とシルバーマンは述べています。


「They're surviving at the margins of society- 社会のはずれで生きている」
この本は、自閉症の親の取り組みと努力を原案としてルースキリストサリバン氏の先導のもと書かれています。
彼の息子、ジョーは、ダスティン・ホフマンの「レインマン」のモデルの1人でした。
1970年代と80年代に始まり、彼らはコミュニティを構築し、自閉症の人々に社会人として長期的な成長をサポートできるあらゆる手段を提供するために活動してきました。

「親の最初の使命運動」、「 自閉症の親の運動」 は、世界が自閉症の子供のためのよりよい場所であるように、法律を変更し、社会で生きる術を開発し、学校を建設することでした。」
とシルバーマン氏は述べました。

「すべてのこのエネルギーは、1990年代のワクチンについての行き止まり論争に転換してしまいました。」
シルバーマン氏は、その両親の起こした運動が自閉症に対しての将来のニーズにより近いモデルになりえると述べています。

「私は、本当に親が自分の子供について、彼らがおそらく何らかの形での援助を生涯必要とするといった事実を受け入れ、彼らが必要とする援助を提供するために社会が動くというる段階に来ていると感じます。それは、自閉症について真剣に考慮する時が来ているということなのです。」

(記事元)http://www.cbsnews.com/news/neurotribes