良い香りはタバコの欲求を抑える
喫煙者は、ペパーミントやチョコレートのように自分が好きなものに匂いがすると、
禁煙できやすいと感じるかもしれないと小さな研究が示唆しています。
ほとんどの喫煙者は、禁煙したいと言っており、多くの人が試しています。
しかし、喫煙者の半数は禁煙を始めて2週間以内に止めてしまうと医療誌『Journal of Abnormal
Psychology』には記されています。
「ニコチン製品(例えば、ニコチンガム、ニコチンパッチ)、薬物療法、認知行動療法や瞑想などの行動学的アプローチを含む、
禁煙に使用できる方法は数多くあります。」
と、ピッツバーグ大学の心理学研究者で主任研究者のマイケル・サイエット博士は述べています。
「しかし、喫煙をやめることは非常に困難な課題であり続けており、単独でも既存の介入との組み合わせでも、
新しい方法は大いに必要とされています。」
とサイエット博士は述べました。
この研究では、喫煙をやめようとしなかったか、ニコチンガムや電子タバコのような他のタバコ代替製品を使用していた232人の喫煙者において、
ある特定の魅力的な匂いに対する喫煙者の欲求を使用した、1つの新しい選択肢が試されました。
研究者たちは、実験の前に参加者に8時間喫煙しないように依頼し、彼らに、彼らの好みのタバコのパック一緒に、ライターも実験室に持ってくるように要求しました。
実験室に到着すると、人々は最初に一般的には、心地よいとされているチョコレート、リンゴ、ペパーミント、バニラなどの香り、
または、きのこ由来の化学物質のような不快であると考えられるいくつかの異なるにおいを嗅いでもらいました。
参加者へはまた、タバコの葉から抽出した1つの臭い、および比較のために「ブランク」と称したニュートラルな香りとして
無臭の製品の匂いも提供されました。
それから、研究者は参加者にたばこに点火し、それを手で保持するだけで吸わないように指示しました。
そして10秒後、参加者へはタバコを消して灰皿に入れる前に、口頭で1から100の尺度で喫煙したいという衝動についての評価が行われました。
それから参加者は、彼らが最も楽しいと評価した香り、タバコの香り、または無臭のいずれかを入れた容器を開け、
もう一度それを嗅いだ後、再び喫煙衝動について評価しました。
彼らは、彼らが次の5分の間、望んだだけ多く、香りの容器を嗅ぎ続け、60秒ごとに、喫煙衝動について評価しました。
タバコを点火した直後の平均渇望スコアは82.13でした。
それから、彼らがどんなにおいをかいだかにかかわらず、
すべての参加者は容器を嗅いだ後の喫煙に対する衝動の減少が見られました。
そして心地良いという臭いをかいだ人々の平均渇望スコアは著しく低下しました。
心地よい臭いで渇望スコアは平均19.3ポイント低下、
たばこ臭で11.7ポイント低下、ブランク(無臭)では11.2ポイント低下しました。
「5分は長い時間のようには思えないかもしれませんが、喫煙者に彼らがしていることを再考し、おそらく再発のリスクが高い状況を脱却するための
重要な時間枠を提供するのには十分かもしれません。」
とサイエット博士は述べました。
「参加者が喫煙をやめようとしていなかったため、嗅覚的な手がかりが喫煙者にどのように影響するかを明確に記すのは時期尚早ですが、
その結果は興味深く、嗅覚的な手がかりが、なぜ、そして誰にとって効果的であるのかをさらに調査する必要性を裏付けています。」
この研究にはかかわってない、カリフォルニア州スタンフォード大学の研究者である、ジュディス・プロチャスカ博士は、次のように述べています。
「その影響が実験室の外(現実の世界)で、再現されることができるかどうか、
そして香りが時間の経過とともにそれらの効果を持続することができるかどうかは未知です。」
また、同じく研究にはかかわっていない、マディソンにあるウィスコンシン大学医学部保健学部の研究者であるティモシー・ベイカー博士は、
同じ心地よい臭いを繰り返し嗅ぐことが、最終的には、タバコの欲求を減らすかもしれないと述べました。
「喫煙欲求起きたら心地よい強い匂いを嗅ぎ、それが効果があるかどうか確かめようと試みるのは、禁煙を願う喫煙者にとっては、
試す価値があることかもしれません。」
【以下のウェブサイトより引用】