若年成人の間で増える大腸がん
2つの研究では、ヨーロッパやその他高所得の国々において、大腸がんと診断される50歳以下の若者の数が増えていることがわかりました。
大腸がんを患う若者の総数は少ないものの、研究では、20~29歳における急激な上昇が浮き彫りになりました。
研究者らは、この急上昇の原因は判っていないものの、肥満や不健康な食生活が原因である可能性があると言います。
専門家らは、若者における兆候を無視しないように勧告しています。
ヨーロッパのほとんどの地域では、病気の症例がはるかに多くなる50歳から大腸がん検診プログラムが開始されます。
結果として、イギリスのように制度が確立されている国では、大腸がんの発症率は50代で高くなっていました。
しかし最近の研究では、50代未満においてより急激に上昇していることが示されており、特にアメリカでは検査開始時期を45歳に早めるように要求する声があります。
- 若者の間での急激な上昇
消化管ジャーナル(journal Gut)の研究では、オランダの研究者が1億4,300万人以上の人々のデータを使用し、イギリスやドイツ、スウェーデン、フランスを含む欧州20ヵ国の傾向分析を行いました。
結果、1990~2016年にかけてほとんどの国において大腸がん症例が増加し、20代の若者において最も顕著な増加が見られました。
この26年間で10万人当たりの大腸がんの発症数は0.8症例から2.3症例に増え、2004~2016年にかけては年間7.9%の急激な上昇となりました。
しかしこの研究では、20代の年齢層には大腸がんによる死亡数の増加はなかったことがわかりました。
30代の大腸がん率も上昇しましたが急激ではなく、40代の発症率には変動がありました。
エラスムスMCロッテルダム大学医療センターの研究者らは、この傾向が続く場合検査ガイドラインを再検討する必要があるかもしれないと述べました。
- 家族歴
ランセット消化器病学&肝臓学(the Lancet Gastroenterology & Hepatology)の別の研究では、イギリスやオーストラリア、カナダ、ニュージーランドを含む高所得の国々における若者の傾向が確認されたようでした。
この研究では1995~2014年にかけて、イギリスの50歳以下の人の大腸がん症例が1.8%、直腸がん症例が1.4%増加しました。
同期間で、50代以上の人の大腸がん症例は1.2%減少しました。
この結果は、対象となった多くの国で同様となりました。
リヨンにある国際がん研究機関に努め、この研究の主導者であるマルツィエ・アラヒ博士は、この調査結果は何かしらの行動を起こす必要性を強調していると述べています。
「50歳以下の集団検診は比較的発症件数が低いため費用対効果が高いとは考えられていませんが、家族歴により遺伝的素質のリスクが高い若者の特定に役立つ可能性があります。」と彼女は言います。
アラヒ博士は、ほとんどの研究は、効果的な予防策と早期発見方法を開発できるようにするため、発症率上昇の根本原因 を「確立する」ことが重要であると付け加えました。
- 「警告」を示す症状
バーミンガム大学の直腸結腸外科医であるアンドリュー・ベッグス医師は、若い患者における大腸がん率の上昇は「早急に調査されるべきである」と述べています。
「これは大腸がんの検査開始年齢を早める必要がある可能性を示しており、「危険」な兆候(出血や排便習慣の変化、体重減少、腹痛)がある50歳以下の人は出来るだけ早く検査を受ける必要があります。」と彼は述べました。
- 大腸がんの兆候とは?
ロンドンにあるがん研究所に勤めるマルコ・ゲルリンガー博士は、しばらくの間若い大腸がん患者の数が増えているという認識があると言います。
「これらの大規模かつ高品質な研究では、この傾向を裏付けるだ確かなデータが示されています。」と彼は話します。
そして次のように付け加えました。
「この結果は、一般診療や病院スタッフにおいて、若者が痛みや排便習慣の変化、血便を訴えて受診した際は大腸がんの診断も考慮するための意識を高める必要性を示しています。」
「新しい研究では、若者の大腸がんを引き起こす生活習慣要因を理解し、このような壊滅的ながんを予防する上でがん検査の必要な調節について再考するために、より多くの努力が必要であることが明らかになりました。」
出典:2019年5月17日更新 BBC News Health 『Bowel cancer rates rising 'among young adults'』(2019年5月21日に利用)
https://www.bbc.com/news/health-48297137?intlink_from_url=https://www.bbc.com/news/health&link_location=live-reporting-story
大腸がんを患う若者の総数は少ないものの、研究では、20~29歳における急激な上昇が浮き彫りになりました。
研究者らは、この急上昇の原因は判っていないものの、肥満や不健康な食生活が原因である可能性があると言います。
専門家らは、若者における兆候を無視しないように勧告しています。
ヨーロッパのほとんどの地域では、病気の症例がはるかに多くなる50歳から大腸がん検診プログラムが開始されます。
結果として、イギリスのように制度が確立されている国では、大腸がんの発症率は50代で高くなっていました。
しかし最近の研究では、50代未満においてより急激に上昇していることが示されており、特にアメリカでは検査開始時期を45歳に早めるように要求する声があります。
- 若者の間での急激な上昇
消化管ジャーナル(journal Gut)の研究では、オランダの研究者が1億4,300万人以上の人々のデータを使用し、イギリスやドイツ、スウェーデン、フランスを含む欧州20ヵ国の傾向分析を行いました。
結果、1990~2016年にかけてほとんどの国において大腸がん症例が増加し、20代の若者において最も顕著な増加が見られました。
この26年間で10万人当たりの大腸がんの発症数は0.8症例から2.3症例に増え、2004~2016年にかけては年間7.9%の急激な上昇となりました。
しかしこの研究では、20代の年齢層には大腸がんによる死亡数の増加はなかったことがわかりました。
30代の大腸がん率も上昇しましたが急激ではなく、40代の発症率には変動がありました。
エラスムスMCロッテルダム大学医療センターの研究者らは、この傾向が続く場合検査ガイドラインを再検討する必要があるかもしれないと述べました。
- 家族歴
ランセット消化器病学&肝臓学(the Lancet Gastroenterology & Hepatology)の別の研究では、イギリスやオーストラリア、カナダ、ニュージーランドを含む高所得の国々における若者の傾向が確認されたようでした。
この研究では1995~2014年にかけて、イギリスの50歳以下の人の大腸がん症例が1.8%、直腸がん症例が1.4%増加しました。
同期間で、50代以上の人の大腸がん症例は1.2%減少しました。
この結果は、対象となった多くの国で同様となりました。
リヨンにある国際がん研究機関に努め、この研究の主導者であるマルツィエ・アラヒ博士は、この調査結果は何かしらの行動を起こす必要性を強調していると述べています。
「50歳以下の集団検診は比較的発症件数が低いため費用対効果が高いとは考えられていませんが、家族歴により遺伝的素質のリスクが高い若者の特定に役立つ可能性があります。」と彼女は言います。
アラヒ博士は、ほとんどの研究は、効果的な予防策と早期発見方法を開発できるようにするため、発症率上昇の根本原因 を「確立する」ことが重要であると付け加えました。
- 「警告」を示す症状
バーミンガム大学の直腸結腸外科医であるアンドリュー・ベッグス医師は、若い患者における大腸がん率の上昇は「早急に調査されるべきである」と述べています。
「これは大腸がんの検査開始年齢を早める必要がある可能性を示しており、「危険」な兆候(出血や排便習慣の変化、体重減少、腹痛)がある50歳以下の人は出来るだけ早く検査を受ける必要があります。」と彼は述べました。
- 大腸がんの兆候とは?
- 排便習慣の変化が続く(排便回数が増える、便が緩くなる、時々腹痛を伴う)
- 痔などその他症状が無いにもかかわらず、血便が出る
- 食べるたびに腹痛や不快感、お腹の張りが起こり、食べる量や体重の減少を引き起こすこともある
ロンドンにあるがん研究所に勤めるマルコ・ゲルリンガー博士は、しばらくの間若い大腸がん患者の数が増えているという認識があると言います。
「これらの大規模かつ高品質な研究では、この傾向を裏付けるだ確かなデータが示されています。」と彼は話します。
そして次のように付け加えました。
「この結果は、一般診療や病院スタッフにおいて、若者が痛みや排便習慣の変化、血便を訴えて受診した際は大腸がんの診断も考慮するための意識を高める必要性を示しています。」
「新しい研究では、若者の大腸がんを引き起こす生活習慣要因を理解し、このような壊滅的ながんを予防する上でがん検査の必要な調節について再考するために、より多くの努力が必要であることが明らかになりました。」
出典:2019年5月17日更新 BBC News Health 『Bowel cancer rates rising 'among young adults'』(2019年5月21日に利用)
https://www.bbc.com/news/health-48297137?intlink_from_url=https://www.bbc.com/news/health&link_location=live-reporting-story