苦痛に対する我慢が消防士のアルコールの乱用に関与

PTSD症状の重症度もまた大量の飲酒に関連しています。

ヒューストン大学の心理学教授による新しい調査結果では、消防士の間で、苦痛耐性が心的外傷後ストレス障害（PTSD）の症状と重度のアルコールに関連していることを示しています。

心理学の世界では、苦痛耐性とは、感情的な苦痛に耐える実際の能力または知覚能力です。

「PTSD症状に苦しみ、負の感情に対処できないと考える消防士はアルコールを使用する可能性が高く、アルコールを使用することで、負の感情に対処する可能性が高いです。」

と、ヒューストン大学外傷・ストレス研究センターの准教授であるアンカ・ブジャノビッチ博士は医療誌the journal Psychiatry Researchの中で報告しました。

調査結果の中では、PTSD症状の重症度がアルコール使用の重症度とも関連していました。

苦痛の対処としての消防士の間でのアルコールの使用は、より深刻なアルコールの摂取と仕事関連のストレスのレベルがより高い事に関連しています。

消防士は、アルコール使用障害の重大なリスクと維持要因の両方である外傷性事象とPTSDへの危険に絶え間なく晒されています。消防士の外傷曝露は91.5％と推定されています。

以前の研究では、一般の人と比較して、アルコール使用と関連障害が消防士の間より高い割合であることが示されています。

この研究でブジャノビッチ博士は、年齢の中央値が38歳で、主に男性の外傷にさらされた652人の消防士からデータを収集しました。

調査結果は、恋愛関連の状況、消防での年数、職業上のストレス、外傷の負荷を調整した後に確認されました。

これは、消防士の間でこれらの変数を同時に調べた最初の研究です。

セラピーにおける苦痛耐性を目標とすることは大きな違いを生むことができるという心理学博士課程の学生で論文の第一著者のあるマヤ・ゼゲル氏は次のように述べました。

「私たちの研究は、十分に研究されていないこの脆弱な集団への医学的介入への取り組みを知らせる可能性が大きいと思います。」

「PTSD患者に対する予備研究により、苦痛耐性の増加は治療中のPTSD症状の改善に関連していることが示されました。」

とブジャノビッチ博士は述べています。

「そして、困難な感情に耐えることができると信じる人々は、その苦痛に対処するためにアルコールを使用する傾向が低いと報告しています。」

この研究は、消防士の精神的健康が非常に必要とされていることが焦点となり始まったとブジャノビッチ博士は述べました。

 2017年、米国では、103人の消防士が自殺した一方で、93人の消防士が職務中に死亡しました。しかし消防士の自殺が過少報告されていることを示すルーダーマン家族財団（Ruderman Family Foundation）の調査によると、これは、自殺による死亡の約40%が表に出ているにすぎない可能性があります。

【以下のリンクより引用】

Distress tolerance plays role in alcohol use and abuse among firefighters

Sciencedaily