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薬の影響で熱中症にかかりやすくなることがある

多くの人は、温かい季節は外で過ごすのに最適な時期だと考えるでしょう。
温かい日は、夜の散歩やガーデニング、運動、その他屋外活動を楽しむことができます。

ただし、老化によって、暑い日に外で過ごすことが困難になることがあります。
老年医学専門医のローナン・ファクトラ医師は、これは加齢とともに体温調節が困難になるだけでなく、服用中の薬にも関連している可能性があると述べています。


<冷却能力の低下>

年齢を重ねると、喉が渇いた感覚を認識しづらくなることがよくあります。
上記の変化に加えて、体内の水分もまた加齢により減少することで、脱水症状に陥る可能性が高まります。
その他健康障害のためにフロセミド(ラシックスなど)などの利尿薬や、ヒドロクロロチアジドおよびプロプラノロールなどの利尿薬/ベータ遮断薬を併用している場合、体内の水分がさらに減少することとなります。
外の気温が上昇するにつれて、これらの医薬品は、もともと脱水症状のある高齢者にとって問題の引き金となりえます。

さらに、年を取ると若い時ほど汗をかかないため、体温が上昇した後、体が冷えにくくなります。
ファクトラ医師は、過活動膀胱を治療するために処方されるオキシブチニンやトルテロジンなどの薬を服用している場合、これらの薬には発汗機能を低下させる副作用があるため、問題が悪化する恐れがあるといいます。
「汗をかくことができないと、本来体に備わっている体温調節機能の一部が損なわれます。」と、彼は話します。


<熱中症のリスクが高まる>

体温を調節できず、発汗が減少することで、立ちくらみやめまいの原因となる可能性があります。
「体の自己冷却能力が大幅に低下すると、熱中症のリスクが高まります。」と、ファクトラ医師は言います。

夏の暑い時期は、注意すべき薬がたくさんあります。
これには、降圧薬や、タムスロシンなどの前立腺肥大治療薬、および上述の薬が含まれます。

特に、起立性低血圧は、横になった状態から立つ、または座ることによって引き起こされる脳への血流減少であり、めまいや転倒リスクの増加につながる可能性があります。
「多くの高齢者にとって、このような転倒は骨折につながる可能性があり、深刻な事態に陥る恐れがあります。」と、ファクトラ医師は言います。


<自分を守る方法>

気温の上昇による合併症発症を防ぐ対策として、以下のことが提案されています。

・脱水を防ぐために水分補給を欠かさない。
トイレに行く際は、尿の色を確認しましょう。
尿が濃い場合、それは水分補給を増やす必要があるという体のサインです。
尿の色は明るく、透明な琥珀色もしくは黄色でなければなりません。

・太陽の下で過ごす時は、帽子をかぶって涼しさを保つ。

・過熱を防ぐため、日陰と空調のある場所で休憩する。

・次の症状に注意する:姿勢を変えた際のふらつき、頭痛、錯乱、発汗の減少
これらは熱中症の兆候であり、直ちに医師の診察を受ける必要がある可能性があります。
 
「私からの一般的なアドバイスとしては、アウトドアを楽しんでください。これは、活動的で居続けるための最適な方法です。」と、ファクトラ医師は言います。
「ただし、熱中症の兆候や予防策のことを意識するようにしましょう。」

出典 2020年7月31日更新 Health essentials『How Your Medicine Might Make You More Susceptible to Heat Stroke』 (2020年8月4日に利用)
https://health.clevelandclinic.org/how-your-medicine-might-make-you-more-susceptible-to-heat-stroke/