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薬剤が卵巣癌患者の寿命を延ばすことを示す新しい研究

アメリカ・オクラホマシティ  -  4回以上の化学療法を受けた卵巣癌の女性は、通常、別の治療法で効果を示し寿命を延ばすということは
あまり有望ではありませんでした。
しかし、新しい研究では、すべての治療選択肢を使い果たした時に、ニラパリブと呼ばれる薬剤が寿命を延ばすという大きな期待が示されています。

この研究はアメリカ・メリーランド州にある、オクラホマ大学メディシンのスティーブンソンがんセンターの臨床研究者である、
婦人科腫瘍専門医のキャスリン・ムーア博士の主導で行われ、世界有数の癌専門誌である『The Lancet Oncology』に掲載されています。

この研究は、BRCA遺伝子の突然変異を持たない卵巣癌患者、そして複数の化学療法治療を受けたことのある患者にとっては特に朗報です。

この研究ではこれらの患者の生存期間を延ばしたことが示されたため、正常細胞に影響を与えずに癌細胞を標的とする『PARP阻害剤』である
ニラパリブの使用は推進されるでしょう。

「この研究は私達の患者の延命治療を助けるためのパズルの一部分です。」
とムーア博士は述べました。  
「4、5、6回、またはそれ以上の化学療法を受けたBRCA突然変異のない患者で行われた研究は多くありませんでした。
そのため、私たちはこの治験を行い研究しようとしました。患者にとって意味のある時間を使わせてもらい患者にとっての最適な治療法を
見つけるため、そしてそれを提供できるようになるまで最善を尽くします。」

BRCA遺伝子関連の癌を持つ女性はPARP阻害薬に最もよく反応することから、彼女たちは最もよく研​​究されているグループであるため、
卵巣癌の治療へのこの薬の使用で最初の適応性を導きました。
しかし、腫瘍または血液中でBRCA突然変異を持っているのは卵巣癌の女性の約25%のみであり、必要性が高いにも関わらず75%の女性に有効な治療法が未だに満たされていないとムーア博士は述べました。

皮肉なことに、BRCA突然変異を持つことは、患者の癌が化学療法およびニラパリブのようなPARP阻害剤によく反応することを意味します。

BRCA突然変異を持つ女性は、癌細胞が分裂の過程で間違いを起こしたときにそれらの間違いの修復が困難であるという『相同組換え修復不全』
と呼ばれるものを持っています。

ニラパリブのようなPARP阻害剤はこれらの間違いを修復することをさらに困難にし、それはこの治療薬が“癌細胞をより効率的に殺すことができる”
ことを意味します。
しかしながら、BRCA突然変異を持つ女性だけが、相同組換え修復不全を持つ癌患者ではありません。

BRCA変異を持たない女性の25%までがこの状態を発症する可能性があります。
つまり、そのような女性患者もPARP阻害剤を摂取することで恩恵を受けることができます。

この研究ではさらに、プラチナベースの化学療法に抵抗性のある人とそれに何らかの反応を示した人とに患者を分類しました。
前回の化学療法治療に反応した女性のうち、27%がニラパリブによく反応し、疾患が増殖または拡大するまでの平均は9.2ヶ月でした。

同研究の参加者での全生存期間は20ヶ月以上であり、これはこの治療の後期段階では非常に注目に値するとムーア博士は述べました。
「4、5、6回の化学療法治療を受けたことのある女性で、10%を超える反応率は通常見られません。」
「そして、特に27%の応答率がBRCA突然変異を持つすべての女性ではなかったことを考えると、これらの患者が依然としてPARP阻害剤の使用で
効果が得られるという良い兆候でした。」

癌が最後の化学療法治療に耐性を示した女性でも、ニラパリブは依然として延命効果を示しました。
そのカテゴリーの女性の33%が少なくとも4ヶ月間は、薬による恩恵を受けました。

「こういった追加期間は重要です。」 とムーア博士は述べました。

「その期間は決して十分ではありませんが、数カ月間、病気が安定するのですから何もない世よりはましです。
クリスマスを過ごすことができたり、新しい孫の誕生を見ることができたり、また別の人生の節目を見ることができるのです。
そして、病状が安定し気分が良くなれば別の薬を服用したり、他の薬の臨床試験を受けることができる可能性があります。」

ムーア博士によると、この調査研究は、ニラパリブのような薬を服用できる患者のタイプを拡大するためにも重要です。

 FDAは、BRCA変異を持たない女性が、現在ニラパリブを投与できる唯一の方法として、プラチナベースの化学療法に良好に反応してから、
維持療法として薬を服用することに制限しています。

ムーは博士は次のようの述べています。
「このデータは、より多くの患者へニラパリブの治療を拡大することを支持するものと考えています。
PARP阻害剤は、BRCA突然変異を有する女性に最もよく作用されますが、突然変異のない女性にでさえもうまくいく可能性があるのです。
ニラパリブは、はるかに幅広い患者に使用されることで本当の意味を持つのです。」

【以下のウェブサイトより引用】
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/uoo-nss070219.php