血圧のお薬は寝る前の服用が効果的

2019年10月23日（HealthDay News）-　血圧の薬は、朝ではなく就寝時に服用する方が、心臓発作、脳卒中、または心不全による死亡リスクがほぼ　　半分になります。

スペインの研究者は、19,000人以上の高血圧の成人について追跡調査を行いました。

彼らは、夜間に血圧の薬を服用した研究参加者は、午前中に薬を服用した人と比較して、24時間の追跡下では血圧が低いことを発見しました。

「調査結果は性別や年齢、糖尿病または腎臓病、またその他のリスク増加にかかわると知られている主な要因の有無にかかわらず、非常に一貫性があります。」

と研究の主著者である、ラモン・エルミダ博士は述べました。

エルミダ博士は、ビーゴ大学の大西洋情報通信技術研究センターの生物工学および時間生物学科長です。

「従来、ほとんどの患者は朝に薬物を摂取します。」

とエルミダ博士は述べています。

彼は、これが望ましいと記録された試験はなく、また、現在、「薬を服用するのに最適な時期」に関するガイドラインがないとこを追加しました。

ニューヨーク市の心臓医師は、血圧薬を服用する際には、一貫性が最適な保護をもたらすと考えています。

「ここで重要なのは毎日の習慣です。」と、

レノックスヒル病院の心臓病専門医であるサットジット・ブスリ博士は述べました。

「用量を逃さないということです。血圧の上昇よりも悪いのは、薬の飲み忘れなどの定期的な服用がによる血圧の変動であることがわかっています。」

薬の服用を遵守するためには、毎日の慣例を守ることが重要だとブスリ博士は述べました。

薬の服用遵守に加えて、感情や他の薬物の同時使用などの要因が薬物の有効性に影響を与える可能性があるとブスリ博士は指摘しました。

『Hygia Chronotherapy Trial』と呼ばれるこの調査は、2008年から2018年にかけて実施され、

スペイン北部に住む18歳以上の男性約10,600人と女性8,500人で行われました。

研究前に全員が高血圧と診断されていました。彼らは、平均で6年強に渡り追跡が行われました。

研究参加者は、朝または就寝時に、1日1回だけ、すべての血圧薬をランダムに摂取するように割り当てられました。

血圧は研究を通して繰り返し測定し評価されました。

少なくとも年に1度、参加者は2日間にわたって複数の血圧測定値を記録するモバイルモニターも着用しました。

最終的に研究者は、いつも朝に薬を服用した人と比べて夜に薬を服用していた人は、心臓や血管の問題を発生し死亡するリスクが3分の2に急落したことを発見しました。

就寝前の投薬は、心臓発作のリスクが44％低下したことや、冠動脈血行再建という、動脈経路を広げるための手術のリスクが40％低下したこと、　　　および心不全のリスクが42％低下し、脳卒中リスクが49％低下したと研究者らは報告しました。

全体として、心血管関連の死亡リスクの減少は45％だったという調査結果が示されました。

なぜなのでしょうか？

それは、血圧の管理は夜間の方が良いためだとエルミダ博士は述べました。

「睡眠血圧が心血管リスクの最も重要なマーカーであることが以前、記録されています。」と彼は説明しました。

これは、診療所で行う日中の血圧測定値が正常であっても、また高くても当てはまります。

毎年48時間のモバイル血圧測定では、夜間に薬を服用した患者は、朝の薬を服用した同僚と比較して、睡眠中に血圧が「大幅に低下」したことが　　示されました。

エルミダ博士はいくつかの警告を認めています。

1つは、すべての研究参加者が、日中は起きて夜は眠るという典型的な睡眠パターンに従う必要がありました。

つまり、この研究では、薬物療法が、夜間に働く習慣のある人にどのような影響を与えるかについては述べることができません。

また、この研究の参加者は全員白色でした。

エルミダ博士は、追跡研究では、人種を混合しなければならないと述べました。

彼は、黒人のアメリカ人は睡眠中に平均よりも高い血圧を示す傾向があると指摘し、今後の研究では、特に投薬のタイミングが彼らにはどのように　　影響するかに注目する必要があると述べています。

そうであっても、彼は研究結果が最終的に最善の投薬習慣について臨床医が血圧患者に指示を行うとき、この情報がいくらか役に立つことを望んでいます。

ブスリ博士は、患者は投薬のタイミングを変更する前に医師と話す必要があると付け加えました。

この研究結果は、10月22日にEuropean Heart Journalのオンライン版で公開されました。

【以下のリンクより引用】

Health Day