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西洋型の高脂肪食は慢性的な疼痛を引き起こす可能性がある

アメリカ・テキサス州サンアントニオにあるテキサス大学(UT)ヘルスサイエンスセンター(別名UTヘルスサンアントニオ, UT Health San Antonio)が率いる研究チームが執筆した画期的な論文によると、典型的な西洋型の高脂肪食は、糖尿病や肥満などの状態の人々によく見られる痛みを伴う障害のリスクを高める可能性があります。

さらに、食事を変更することは、関節炎、外傷、または手術などによる炎症性の痛み、または糖尿病などの神経障害性の疼痛のいずれかを引き起こす状態からの痛みを大幅に軽減または逆転させる可能性があります。

この新しい発見は、食事の変更か、体内の特定の脂肪酸の放出を阻害する薬を開発するだけで、慢性疼痛患者の治療に役立つ可能性があります。

作成から5年以上が経過したこの論文は、最初の共著者であるジェイコブ・T・ボイド医学博士とUTヘルスサンアントニオの歯内療法学科所属のピーターM.ロココ博士が率い、15人の地元研究者による共同チームによって、『Nature Metabolism』誌の6月号に掲載されました。

全部で11人の共著者はUTヘルスサンアントニオの出身で、その中には生物医科学研究科の現在、または、元の学生7人が含まれています。

うち3人はテキサス大学サンアントニオ校の化学科の代表です。また、 ひとりはサウステキサス退役軍人医療システムの神経内科からの研究者です。

「この研究は、科学チームの最高例です。補完的な専門知識を持つ複数の科学者と臨床医が協力し生活を改善しています。」

と、UTヘルスサンの歯内療法学部の教授兼議長であり、この論文の上級著者であるケネスM.ハーグリーブス博士は述べています。

 

脂肪酸と疼痛

慢性的な痛みは、世界中の障害の主な原因です。

糖尿病、自己免疫疾患、心血管疾患を管理するために、脂肪を減らすことを勧められることがよくありますが、痛みの状態における食事の脂質、または脂肪酸の役割については比較的知られていません。

新しい論文で、ボイド博士と彼の同僚は、マウスとヒトの両方で複数の方法を使用して、痛みの状態における多価不飽和脂肪酸の役割について研究しました。

彼らは、オメガ-6多価不飽和脂肪を多く含む典型的な西洋型の食生活が、炎症性疼痛と神経因性疼痛の両方の重大な危険因子として働いていることを発見しました。

主に植物油を含む食品に含まれるオメガ6脂肪には、その利点があります。

しかし、肥満に繋がる西洋型の食生活は、魚や亜麻仁やクルミなどに含まれる健康的なオメガ3脂肪よりも、コーンチップやオニオンリングなどの食品に含まれるこれらの酸のレベルがはるかに高いという特徴があります。

一般に、オメガ6脂肪を多く含む不健康な食品には、加工スナック、ファーストフード、ケーキ、脂肪分の高い塩漬け肉などがあります。

特にオメガ6を減らし、オメガ3脂質を増やすことによるこの食事の変更がこれらの痛みの状態を大幅に軽減したことを研究者らは発見しました。

また、著者らは、2型糖尿病による神経障害性疼痛のある患者のオメガ6脂質の皮膚レベルが、報告されている疼痛レベルや鎮痛薬の服用の必要性と強く関連していることを示しました。

「この論文は、この神経疾患の性質を変える治療法がないため、その満たされていない大きな部分での技法転換となるのではないかと注目を集める貢献です。」

と、UTヘルスサンアントニオの神経学教授であるホセE.カバゾス医学博士は述べています。

論文に付随する社説において、デューク大学の研究者であるエイダン・マクギニス氏とル・ロンジ氏は、次のように記しています。

「ボイド博士らによるこの包括的で素晴らしい研究は、新しい臨床試験の基盤として役立ち、最終的には神経障害の臨床治療のための新しい道を開く可能性があります。」





【以下のリンクより引用】

Western high-fat diet can cause chronic pain, according to research team

Medical Xpress