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認知症とアルコール:科学者が二つの関連性確立を試みる

認知症は、世界中で5,000万人が罹患する変性脳疾患です。
アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は、認知症の最も一般的なタイプであるアルツハイマー病が米国で6番目の主要な死因であると推定しています。

認知症では、明瞭で論理的な思考が困難となり、記憶力が低下することで高齢者の認知機能が低下します。
認知症の重症度の他、レビー小体型認知症や前頭側頭葉変性症、脳血管性認知症などの形態の違いにより、日々の活動が困難となります。

認知症の影響は大きく、患者は介護者の補助が必要となることもあります。
結果的に介護者が影響をこうむることとなるため、早期に診断を受けることが非常に大切です。
2019年だけでも、認知症の家族のために行われた無休の介護時間は185億時間にも上り、これは2340億ドルに相当します。

約580万人のアメリカ人がアルツハイマー病を患っています。
アルツハイマー病協会が提供するデータによると、2050年までに、この数は1400万人に増加すると推定されています。

現状、科学者によりライフスタイルや環境、遺伝子に関連する原因がいくつか特定されています。
ベス・イスラエル・メディカルセンターが過去に行った研究によると、認知症は元々、ApoE4という遺伝子を持った人々がアルコールを過剰に摂取することで発症していた可能性が高いことが明らかになりました。

新しい研究では、アルコールが、特に軽度認知障害(MCI)を患う人の認知症リスクを高めるメカニズムの解明を試みています。

<研究結果では>
このデータは、3021名の被験者を対象とし、2000年から2008年まで実施された” Ginkgo Evaluation of Memory Study”に基づいて計算されています。
被験者らは全て73歳以上であり、認知症を患っていませんでしたが、6年間の間、彼らを対象に認知検査を介した綿密な追跡調査が行われました。
研究開始時点では、2548名の被験者が軽度認知障害を罹患せず、473名が罹患していました。

「2000年から2008年の間、6カ月毎にミニメンタルステート検査(3MSE)および臨床的認知症尺度(CDR)が、追跡調査終了や死亡、認知症診断のいずれかが発生するまで実施されました。」と、研究者は言います。
総じて、2004年から2008年まで1年に1回、被験者は一連の10の神経心理学的検査を受けました。
6年間の研究が終わる頃には512件の認知症症例が報告され、内348症例はアルツハイマー病でした。

被験者らはベースライン時点で、ビールや蒸留酒、ワインの摂取頻度について問われました。
具体的には、1週間で飲酒する日数の他、特別な日に消費するビール瓶および缶、ワイングラス、蒸留酒ショットの数を詳細に報告するよう求められました。

「私たちは、被験者をアルコール消費に応じて次のように分けました: 全く飲まない、週1ドリンク未満、週1~7ドリンク、週7.1~14ドリンク、週14.1ドリンク以上」と研究者らは言います。

週14.1ドリンク以上毎週飲酒する高齢者は、週1ドリンク未満しか飲酒しない他の高齢者と比較されました。
前者の認知検査スコアは低く、彼らの認知は認知症の前段階である軽度認知障害の範囲にあることが示されました。

「軽度認知障害を患う被験者の中で、週1ドリンク未満の消費者と比較して、週14.1ドリンク以上の消費者において最も顕著な認知力低下が見られました。この結果は、高齢者の診察を行う医師は、患者にアルコール消費に関する指示を行う際、患者の多角的な飲酒習慣および認知力を慎重に判断する必要があることを示しています。」という一文が、9月27日にJAMA Network Open誌に掲載された研究の結論です。

出典: 2019年10月6日更新 Medical Daily 『Dementia And Alcohol: Scientists Try To Establish Connection Between The Two』(2019年10月8日
に利用)
https://www.medicaldaily.com/dementia-alcoho-scientists-try-establish-connection-between-two-443671